近年も、米国産食品のモニタリング検査でこんな事例があったという。
「2021年度には米国産の生鮮レモンから日本で使用が禁止されている殺虫剤『フェナザキン』が基準値を超えて検出されましたが、一部はすでに販売済みでした。2020年度にも米国産オレンジジュースから食中毒の原因となる大腸菌群が検出されましたが、やはり一部は販売済みと報告されています」(同前)
消費者はどのように安全性を見極めればいいのか。スーパーなどで売られている食材であれば、原産地表示を確認して安全性を吟味することができるが、外食や加工食品に米国産が使われている場合、それを知ることは難しい。
「外食時や弁当・惣菜を買う際に、原産地について日頃から注意を向けるのが第一歩。加工食品には原則、重量第1位の原材料の産地しか表示義務のないことや、外食や量り売り食品などは原産地表示の対象外であることなど、意外な発見があるはずです。まずは身近な食生活を見渡し、より賢く安全な取捨選択を試すべきです」(垣田氏)
口に入るものだからこそ、最大限の注意を払いたい。
* * *
関連記事《【日本の衛生基準に違反した米国産食品・60品目全リスト】アーモンド、とうもろこし、落花生…“天然で最強の発がん性物質”混入は直近5年で100件超》では、日本の衛生基準に違反した米国産食品の輸入実態についてレポート。2020年4月から2025年3月までに判明した米国産輸入食品の違反事例のリストを紹介している。
※週刊ポスト2025年5月23日号