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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「59円時代が懐かしい…」ハンバーガーがデフレの象徴だったのは過去の話 モスバーガー「新とびきり」好調から考える「ハンバーガー700円時代」の金銭感覚

佐賀県唐津市の名物「からつバーガー」を買ってみた

佐賀県唐津市の名物「からつバーガー」を買ってみた

立ち食いソバも鰻重も、少し前と比べて随分高くなった

 現在、私は佐賀県唐津市で暮らしているのですが、ハンバーガー店がやたらと多い。もっとも有名なのが「からつバーガー」で、唐津の名物として紹介されています。ここではレタスの入ったハンバーガーが420円で、ハムとチーズとレタスと目玉焼きが入ったスペシャルバーガーが660円です。観光客の多くは「せっかくだから」とスペシャルバーガーを注文しているようです。

 フライドポテトは420円でコーラ・ウーロン茶は180円、スペシャルバーガーとこれらを合わせると1260円。ドリンクを佐賀でよく飲まれる生絞りみかんジュース(600円)にすると1680円になります。それでも皆、普通に買って食べていくのです。

 からつバーガーで修行をした人が開いた店なども含め、唐津にはハンバーガー店が数多く存在します。これらの店でも通常のハンバーガーが300円台後半で、色々乗せたものは800円ほどになっています。

 SNSでは、「海外で外食の価格に驚いた!」という投稿をよく見かけます。曰く、ニューヨークでサンドイッチとコーヒーを頼んだら日本円換算で4000円だった……など。それと比べれば日本の外食は安いから許容するか……というのが現在のハンバーガーに対する金銭感覚ではないでしょうか。

 2020年に400円台で食べていた東京の立ち食いソバが今や600円台になっているのを目の当たりにすると、ハンバーガーが700円の壁を越えるのも当然のことなのかもしれません。

 我々日本人もこの手のことは過去に案外多数経験しています。1990年代は鰻重が1800~3200円だった店に今行くと3200~5800円といった状況になっています。シラスウナギの不漁、という事情を理解したうえで「それでも鰻が食べたい!」とその価格を払ってきたわけですね。ハンバーガー700円時代もこれと同様の話で我々は自然と受け入れていくのではないでしょうか。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。

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