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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「59円時代が懐かしい…」ハンバーガーがデフレの象徴だったのは過去の話 モスバーガー「新とびきり」好調から考える「ハンバーガー700円時代」の金銭感覚

モスバーガーの「新とびきりバーガー」シリーズが売れ行き好調(プレスリリースより)

モスバーガーの「新とびきりバーガー」シリーズが売れ行き好調(プレスリリースより)

 かつてデフレの象徴とされていたハンバーガーの価格に異変が起こっている。マクドナルドこそハンバーガー単品で190円~となっているが、モスバーガーが提供する「新とびきりバーガー」のシリーズを筆頭に“プチ高級路線”のハンバーガーの売れ行きが好調だと報じられている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が「ハンバーガー700円時代」の金銭感覚について考察する。

 * * *
 今からは想像もつかないかもしれませんが、2002年にマクドナルドはハンバーガーを59円で提供していました。当時貧乏だった私はこれを10個買って、5食分の食事にしていたほどです。懐かしいですね。現在のハンバーガーの価格は190円~となっています。ただ1980年代は210円だったわけで、今でも当時より安い。これもひとえにマクドナルドの企業努力の賜物だと思います。

 さて、昨今のハンバーガー事情ですが、モスバーガーが2024年3月から発売している「新とびきりバーガー」のシリーズが好調です。「新とびきりチーズ~北海道チーズ~」が690円、「ダブル新とびきりチーズ~北海道チーズ~」が980円と、一昔前なら「牛丼が何杯食べられるんだ!」なんて声があがっていたであろう価格です。それが1年で1700万食を提供するヒットとなっているのです。

 人々はおいしいものにはそれぐらい払うのが当然、といった傾向になっているのでしょう。少し前までは値上げに対する怨嗟の声も多かったですが、だんだんと消費者も物価高を許容するようになってきているように思います。ラーメンについても「1000円の壁」が存在するとされていましたが、昨今の東京の一等地では1280円のラーメンも普通に存在します。ビールを1本つけようものなら2000円になります。

 元々「グルメバーガー」と呼ばれるハンバーガーのジャンルがあり、そうした店ではポテトとドリンクのセットで1500円を超えるほどでした。それが現在は2000円に届くほど。こうしたハンバーガー店と比べれば、モスの690円バーガーは逆に割安感を感じられるかもしれません。

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