安倍氏の写真の前に小さな賽銭箱が置かれている
しかし、資金集めは難航した。募金をスタートしたタイミングで安倍派の裏金問題が発覚して頓挫。クラウドファンディングに切り替えたものの、専用サイトなどの基準に合わずに佐藤氏が神社のホームページで独自に寄附を募集することになった。奈良の救う会がチラシ配りなどで寄附を呼びかけているが、なかなか周知できなかったのも理由のようだ。
とはいえ、政界には安倍氏の薫陶を受けた議員が多くいる。あれだけ安倍氏の名前を“利用”している政治家たちは銅像建立に協力しないのだろうか。
佐藤宮司はこう言う。
「『夢と目標』、それが私のテーマであり、それに向かっています。安倍さんが求めていたことと同じなのではないでしょうか。銅像建立に際しては、保守系の元衆院議員からカンパをもらったが1万円。かつて安倍派に所属した有力議員からは『銅像が建ったら行きます』と言われたが、あくまで『建ったら』ということだった。
だから自分がやらなければ、と。とにかく安倍さんの魂を鎮めたい。今となっては、もう、神社に誰かイタズラしても、それで話題になるのであればいいとさえ思うくらいです」
ホトホト困り果てているようなのだ。
※週刊ポスト2025年5月30日号