マネー

安倍晋三氏の遺産相続に最終結論 政治団体と下関の邸宅は昭恵夫人に、渋谷の豪邸の行方は

安倍晋三氏(左)の遺産相続はどう決着したのか。遺された昭恵夫人(右)はどうなるのか(写真/共同通信社)

安倍晋三氏(左)の遺産相続はどう決着したのか。遺された昭恵夫人(右)はどうなるのか(写真/共同通信社)

 安倍晋三・元首相の一周忌(7月8日)が近づくなか、安倍家では遺産相続の手続きが着々と進められていた。華麗なる政治家一族の莫大な遺産は、どのように分配されることになったのか──。

「思い出の別荘」は義兄に

 安倍家では、遺産相続の「最終結論」が出たようだ。相続税法は「死亡を知った日の翌日から10か月以内」に相続税を納めなければならないと定めている。今年5月8日に納付期限を迎えたが、それに備えて安倍家は相続手続きを済ませていた。

 国会議員の資産公開(2022年)によると、生前の安倍氏名義の資産は、選挙区だった山口県下関市の邸宅をはじめ、安倍家代々の墓所や屋敷がある山口県長門市油谷の土地、山梨県鳴沢村の別荘(延床面積約125平米)などの不動産の他に、2478万円の定期預金や株、ゴルフ会員権(6口)など総額1億円超と報告されていた。資産公開では不動産は実勢価格よりかなり低く評価される仕組みになっていることから、遺産の相続税評価額は「少なくとも2億~3億円」(税理士)と推定されている。

 安倍氏は子どもがいないため、法定相続人は昭恵夫人と母の洋子さんの2人。法定相続分通りなら、昭恵夫人が3分の2、洋子さんが3分の1を受け継ぐが、遺産分割協議で割合を変更することは可能だ。

 では、どんな遺産分配が行なわれたのか。本誌・週刊ポストは登記簿謄本をもとに、安倍氏の主な資産である不動産の相続手続きを調べた。

 まず下関市の高台に建つ時価2億円ともいわれる邸宅(敷地約1000坪、延床面積約633平米)と安倍家代々の墓所がある長門市の土地は昭恵氏が相続していた。

 安倍氏が来日したインドのモディ首相を招待するなど外交や政治の舞台にもなった山梨県鳴沢村の別荘は、昭恵氏がいったん相続したあと、「令和4年11月13日」に昭恵氏から義兄(安倍氏の実兄)の寛信氏に贈与されていた。この別荘の敷地はもともと母の洋子さんの名義で、安倍氏は建物部分だけを所有していたが、現在は土地・建物ともに寛信氏に所有権が移転している。

 昭恵氏は夏の休暇をこの別荘で夫と共に過ごし、時には2人が近くのスーパーで楽しそうに買い物をする姿も見られた。その「夫との思い出の別荘」をひっそり手放していたのである。

 安倍氏はもう一つの遺産として巨額の政治資金を遺した。その“遺産整理”と“相続手続き”も行なわれていた。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。