「長期株式投資」氏はトランプ相場でも“予測をしない”(Getty Images)
20年以上の投資生活で運用資産は1億円を超え、月に30万円以上の配当を受け取っている投資家の「長期株式投資」氏(ハンドルネーム)は、45歳で会社を早期退職し、現在は投資教育をライフワークにしている。「株式投資は長期で続けてさえいれば儲けられる」と語る同氏。初心者が押さえておきたい「投資を長く続けるためのポイント」や自身の投資スタイルについて解説する。
サラリーマン時代から「日本の配当株」をメインに投資をしてきた長期株式投資氏は、安定的に配当を受け取り続け、資産を積み上げていった。同氏によると、株式投資は1年単位だと大きなマイナスになることもあるが、10年単位で長く続けていくと一定の期待値(平均していくらリターンを得られるか)に収斂していくため、「長期で続けてさえいれば儲けられる」という。
EPS、PER、配当利回りをチェックする
長期で投資を続けるためには、業績が安定している企業を見定めることが肝心だ。
「業績が安定している企業というのは、株価のグラフが波のように上がったり下がったりしながらも、長い目で見れば緩やかに上がっていきます。なので、そういう銘柄をなるべく安い時に買うという『バリュー投資』が基本になってきます」(長期株式投資氏、以下同)
銘柄を選ぶ具体的な手法として、長期株式投資氏がまず挙げたのはEPS(1株当たりの純利益)の推移を見ること。EPSが安定していれば、企業の財務状況が安定しており、業績変動が少ないということになる。つまり株価は上下動を繰り返しながらも緩やかに上がっていく可能性が高い。業界トップクラスの企業の多くはEPSが安定しているという。
「EPSが安定しているかどうかを確認したら、PER(株価収益率)を見て、買うタイミングを判断する。PERが低いほど割安ということになりますが、過去の推移を見れば、上限と下限が“大体これくらいの幅で行ったり来たりしているな”というのが分かるので、そのレンジ(幅)の下のほうまで低くなった時を狙って買えばいい。
長期で保有することを前提に、配当利回りが高い銘柄を選ぶことも重要です。『EPSが安定している』『PERが低い』『配当利回りが高い』という3つのポイントは私も常に意識していますし、初心者の方でも真似しやすい手法だと思います。これらを押さえておけば負けにくくなりますし、長期で投資を続けやすくなるでしょう」