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ビジネス

国会議員が享受する“表の特権”と“裏の特権” 支援者から提供されるコメ、メロン、ガソリン、仕立券などはそのままポケットに…「何らかの規制が必要」と専門家指摘

無料のグリーン車で不倫旅行も

 国会議員の活動には毎年、総額約589億円の税金が投じられている。

 1人年約2200万円の歳費・ボーナスの他に、毎月100万円(年1200万円)の自由に使える調査研究広報滞在費(旧文通費)が議員の口座に振り込まれ、都内一等地にある議員宿舎が格安家賃(赤坂宿舎は約82平方メートルの3LDKの家賃が約12万5000円)で提供される。新幹線のグリーン車にも乗れるJR無料パスや無料航空券、公設秘書3人の給料などがすべて税金で賄われている。

 それらは“表の議員特権”とも言えるが、特権を政治活動のためではなく私的に利用していたケースも少なくない。

 細野豪志・自民党代議士は不倫旅行にJR無料パスを利用したと指摘されたが、「週末のたびにJR無料パスを使って新幹線で他の選挙区までゴルフに入っていた議員もいる」(ベテラン秘書)。本人しか使えないはずの無料航空券を妻に利用させていたケースもある。

 議員に格安で提供される議員宿舎をめぐっても、三原じゅん子・参院議員は都内の高級マンションで自身が暮らしながら、両親を議員宿舎に住まわせていたことが報じられ、批判された。

 税金で賄われている数々の議員特権が、あくまで政治活動のためだということを理解していないが故にこうしたことが度々発覚する。

 ましてや支援者などから無償提供される物品など“裏の議員特権”は議員のポケットにそのまま入れられる。

 政治資金研究の第一人者、岩井奉信・日本大学名誉教授が指摘する。

「原理原則で言えば、江藤氏が支持者からもらったコメについては、政治資金収支報告書に記載しなければならない、ということになっている。政治資金規正法は『金銭、物品その他の財産上の利益の収受を対象』と定めているからです。

 しかし、一方で政治資金は『政治活動に関する寄附』なので、自宅で食べるコメをもらっても政治資金とは考えにくい。農水大臣には職務権限があるとはいえ、だからといって賄賂と見るのも難しい。国会議員が有権者や利害関係者から物品を無償提供されることは法的にはグレーゾーンで、政治家の倫理観や道義的責任が問われる。だから多くは表沙汰にしないでこっそりもらう。何らかの規制が必要ではないか」

 関連記事『《議員の活動費用に税金589億円》石破首相も小泉進次郎農水相も江藤前農水相も貪り尽くす“議員特権” コメどころか酒に背広にガソリンももらう“ごっつぁん”体質』では、国会議員が享受する特権とその予算額を一覧化したリスト、格安議員宿舎と高級マンション生活の“二重生活”が問題化した実例、そして石破茂・首相の事務所にも贈り物とみられる農産物が山積みになっていたとする証言などを詳報している。

※週刊ポスト2025年6月6・13日号

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