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ビジネス

国会議員が享受する“表の特権”と“裏の特権” 支援者から提供されるコメ、メロン、ガソリン、仕立券などはそのままポケットに…「何らかの規制が必要」と専門家指摘

江藤拓・前農水相が「コメ」をもらっていたのは氷山の一角か

江藤拓・前農水相が「コメ」をもらっていたのは氷山の一角か

 国会議員が貪り尽くす“特権”の数々とは──。「私は買ったことがありません。支援者の方々がたくさんコメをくださるので、まさに売るほどあります。私の家の食品庫には」との発言によって更迭された江藤拓・前農水相。その発言から見えるのは、庶民感覚の欠如ではなく、特権を特権とも思わない無自覚さだ。

「メロンが段ボールで何箱も」「タダで車のガソリン」

 議員の“ごっつぁん体質”は農産物に限らない。自民党議員のベテラン秘書の話だ。

「今ならコメの現物をもらえば嬉しいかもしれないが、普通は処分に困る。だから地元の農政連などの支援を受けている議員は、関係者からおこめ券をもらうことが多い。要は金券だから何でも買えるし、第一、重くない。支持者が当選祝いやお土産代わりにビール券をくれることも多いですね。そうした商品券は他に回せるし、政治資金収支報告書に載せない事務所が多いでしょう」

 議員の視察にも“役得”がついてくる。

「うちの議員が超党派の議員団で農家の視察に行ったら、メロンが段ボールで何箱も送られてきた。視察団の他の議員にお裾分けしたらみんな喜んでくれた。一人だけ『困ります』と言っていた議員がいたけど、断わると角が立つので一応受け取ってくれて、後で返礼品が届きました。他はもらいっぱなし。かつて若手議員は派閥の幹部から高級スーツのお仕立券をもらっていたし、国会対策で他党の議員にワシントン靴店の靴券がよく配られていた」(別の秘書)

 それ以外にも、「地元でガソリンスタンドを経営する支援者から、タダで車のガソリンを入れさせてもらっていた議員がいた」「タニマチから使い放題のブラックカードを貸与されていた著名な議員もいました。最初は事務所の誰も知らない極秘事項扱いだった」といった話がベテラン秘書たちから得られた。

 議員会館では、他の議員から地元の名産品が贈られることがある。かつては渡部恒三氏(福島選出)の柿、古賀誠氏(福岡選出)の梨が有名だったが、最近は西村康稔・元経産相(兵庫選出)が政治資金で地元・淡路島名産の玉ねぎを購入して多くの議員に配っていることが批判を浴びた。

 他にも国会議員が後援者などから事務所や車の無償提供を受けたり、私設秘書の給料を肩代わりしてもらっていたりするケースは枚挙に暇がない。だが、政治資金収支報告書に家賃や給与相当額を寄附として記載すれば合法とされる。まさに“ごっつぁんです”で事務所提供からコメや果物、背広や靴の仕立券まで“衣食住”が一通り揃うわけである。

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