今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが6月2日~6月6日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米トランプ政権による高関税政策への違法判決とそれに対する控訴で、議論の行方を見極める展開となりそうだ。また、引き続き債券相場も手掛かりとなる見通し。米連邦裁判所は5月28日、トランプ政権の高関税政策について差し止めの判断を示した。対米貿易黒字を抱える相手国からの輸入品への全面課税は大統領権限の逸脱と判断。トランプ政権は直ちに控訴を決定し、先行きを見極める展開に。司法判断により高関税政策の影響に対する懸念が大きく後退すれば、世界的にリスクオンの流れが見込まれる。逆にトランプ政権側の言い分が通れば、かえって失望感が広がりリスクオフの展開となりそうだ。
一方、日米の債券相場も引き続き注目されやすい。米トランプ政権による大型減税法案の審議で、トリプル安懸念は根強く、ドル買いを抑制。他方、日米関税協議に向けドル高・円安是正への思惑も根強い。
【米・5月ISM製造業景況指数】(6月2日発表予定)
6月2日発表の5月ISM製造業景況指数は前回の48.7から悪化すれば減速懸念によりドル売り要因に。先行指標とみられるフィラデルフィア連銀製造業景況指数は低調が続く。
【米・5月雇用統計】(6月6日発表予定)
6月6日発表の米5月雇用統計で失業率は横ばい、非農業部門雇用者数は減少が見込まれる。平均時給が高止まりなら利下げ観測の後退でドル買いを後押し。ドル・円は弱含みか。