おもなネット証券の対応とユーザー個人でできる対策
・SBI証券:5月31日より「多要素認証」(デバイス認証・FIDO=スマホ認証等)の原則必須化
・楽天証券:6月1日より多要素認証が必須
・マネックス証券:5月30日より順次、ログイン時の多要素認証を必須化
ただし、システム改修にかかるコストや技術的ハードルから、特に中小証券会社では対応が遅れがちです。
そこで重要になるのが、ユーザー一人ひとりの「自衛意識」です。証券口座を守るために、次のような対策を講じましょう。
・パスワードは使い回さず定期的に変更し、英数字・記号を組み合わせて設定する
・ワンタイムパスワードや2段階認証など、多要素認証を有効にする
・不審なメールやSMS内のリンクは開けず、事前に登録したURLからアクセスする
・取引履歴に異常がないかを頻繁にチェックし、異変があれば速やかに証券会社へ連絡
・セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態を保つ
また、「FIDO2(生体情報をオンライン上でやり取りし認証する仕組み」対応のセキュリティキー(外付け型の物理的な認証デバイス)を活用すれば、パスワードを使わずに安全なログインが可能になります。こうした物理キーは価格も数千円台と手頃で、導入も比較的簡単です。
乗っ取り被害は、誰にでも起こり得る“現実”です。「自分は大丈夫」と思わず、今日からできる対策を始めることが、あなたの資産を守る第一歩になります。ネット証券の利便性と安心を両立させるために、セキュリティ意識をいま一度見直してみてはいかがでしょうか。