先週の日経平均は週間で223.49円安
投資情報会社・フィスコが、株式市場の6月2日~6月6日の動きを振り返りつつ、6月9日~6月13日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で223.49円安(-0.59%)の37741.61円で取引を終了。米中対立への懸念が再燃したことで、上値追いへの手控えムードが強まった。25日移動平均線が下支えとなる一方、日経平均38000円水準が上値抵抗ラインと捉える見方もより強まってきている。
トランプ米大統領が、鉄鋼の輸入関税を25%から50%に引き上げると表明したほか、中国の関税合意違反を非難して厳しい措置を示唆とも伝わり、週初から米国を中心とした世界的な貿易摩擦への懸念があらためて強まる展開となった。5月のISM製造業景気指数が市場予想を下回ったほか、ISM非製造業景気指数も好不調の境目となる50を下回るなど、米国景気の先行き懸念も上値の抑制要因となった。一方、エヌビディアをはじめ、米半導体関連株に対する見直しの動きが優勢になったことは、日本株の下支えにもつながった。
6月5日には、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の電話協議が行われている。詳細は明らかになっていないものの、両政府の閣僚級協議なども近く開催されるもようとなっている。日米貿易交渉に関しても、6月15日から17日に開催されるG7サミットにおいて、日米首脳会談が行われる可能性が高いとされている。引き続き、米国の関税政策の行方を見極めるべき相場展開が継続する公算が大きい。日本株にとっては、自動車関税の大幅縮小・撤廃が早い段階で決定すればポジティブサプライズとなり得るが、現状ではその可能性は低いように見える。
また、G7を週末に控える中、為替の円高進行なども今週はリスク要因となってこよう。加えて、来週には日米金融政策決定会合の開催を控えており、これも今週の株式市場の方向感を乏しくさせよう。ともに大きな政策変更は想定されないが、米国ではトランプ大統領とFRBの軋轢が再度強まってこないか注視する必要もある。