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投資
億り人・長期株式投資さんの投資戦略

億り人「長期株式投資」氏が伝授する投資戦術 まずは「日本の優良企業100銘柄」をリストアップ、「業績安定」「高配当」銘柄を「PER・PBRレンジの低いところで買う」

 続いて、株価がどのような水準ならば投資に値するのかという判断をおこなう際に、優先的に知っておきたい指標についてポイントを学んでおきましょう。

■配当利回り
・投資した金額に対して受け取ることのできる配当金が投資額の何%になるのか、という投資指標
・業績が安定していれば配当利回りが高い時に投資するのがよい
・配当性向(利益の何%を配当しているか)が低い方が、増配余力があるためよい
・連続増配銘柄か累進配当銘柄(減配せず配当を維持または増配する銘柄)を選択するのがよい
・計算式:配当利回り(%)=1株当たりの配当金÷株価×100

■EPS(1株利益)
・EPS(1株利益)とは、1株当たり何円の利益があるか
・Earnings Per Shareの略。Earningsは「利益」、Perは「~ごと」、Shareは「株式」という意味
・EPSが安定かつ長期的に伸長している銘柄がよい
・EPSが安定している銘柄は株価が暴落してもいずれは戻す

■PER(株価収益率)
・株価がEPSの何倍かという指標
・Price Earnings Ratioの略。Priceは「株価」、Earningsは「収益」、Ratioは「率」という意味
・業種にもよるが、一般的に15倍前後で適正。10倍以下は割安。20倍以上は割高
・過去5年程度の予想PERレンジ(数値の幅)を確認して、数値が低い時に投資するのがよい
・株価下落局面ではPERだけでは判断できず、他の指標を複合的に使う(バリュートラップを回避する)
・計算式:PER=株価÷EPS

■PBR(株価純資産倍率)
・純資産に対し株価が割安か割高かを判断するための指標
・Price Book-value Ratioの略。Priceは「株価」、Book-valueは「純資産(帳簿価格)」、Ratioは「倍率(比率)」という意味
・過去5年程度のPBRレンジを確認して、数値が低い時に投資するのがよい
・暴落時に底値を探るモノサシとなる
・リーマンショック時でも0.8倍以下になっておらず、暴落時における最悪は日経平均PBR0.8倍

相場で生き残るための投資戦術

 上記ポイントをさらにまとめると、「【1】業績が安定している(EPSが複数年にわたり安定的に推移)、【2】高配当の銘柄を、【3】PER・PBRレンジの低いところで買う」ということになります。これで投資判断のモノサシを得ることができました。

 ここまでの知識で以下のような投資戦術を実行することができます。

【STEP1】投資対象銘柄をリストアップ(別掲図1-1の計100銘柄でOK)
【STEP2】PER・PBRレンジの確認
【STEP3】STEP1でリストアップした銘柄が、PER・PBRレンジで低い数値となっている時に買う

 単純な作業となりますが、これだけでも大きな失敗を避けることができます。

 投資初心者にとって最も大切なことは、マーケットから退場させられずに株式投資を長く続けること。最初は上手くいかないこともあるかもしれませんが、上記の手順で投資を始めてみて、相場に慣れ、経験を積むことは決して無駄にはなりません。まずは相場で生き残ることを第一にして、投資を続けていきましょう。

 なお、PER・PBRレンジは、様々な投資情報媒体で情報提供がなされています。

 ちなみにですが、私はSBI証券の株アプリで確認しています。その場合、各銘柄の表示画面右上にあるタブから、「その他」→「銘柄分析」→「株価指標」と進み、チャート画面をタップすると、レンジの最大値、平均値、最小値を確認することができます。

 最初は1株ずつ少額でいいので、実際に株式投資を始めてみましょう。実際に投資を始めて、実践しながら知識を積み上げていくことで、株式投資の練度は飛躍的に向上します。

※長期株式投資・著『フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資』(KADOKAWA)を元に一部抜粋して再構成

【PROFILE】
長期株式投資(ちょうきかぶしきとうし)/1977年生まれ。「日本の配当株」専門の投資家。2004年から株式投資を始め、リーマンショックを経た2009年にポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は安定的に資産を増やし、2023年に長年勤めた会社を45歳で早期退職。現在は投資教育をライフワークとする。2024年の税引き後の手取り配当額は471万円(米国株、J-REIT含む)、運用資産1.8億円。『フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資』(KADOKAWA)などの著書がある。なお、長期株式投資氏がいま注目している具体的な銘柄については、関連記事の最新インタビュー『《厳選!長期投資向き7銘柄》「配当をもらいながら2030年代の巨大プロジェクトを待つオイシイ銘柄」から「名証上場の割安銘柄」まで長期株式投資氏が解説』にて紹介している。

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