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田代尚機のチャイナ・リサーチ

LABUBUの爆発的人気で株価もテンバガー化した中国企業「ポップマート」の実力解剖 グローバルな流行で海外事業が急拡大、業績伸長を後押し

グローバルな人気を獲得している「LABUBU」グッズ(中国・上海。Getty Images)

グローバルな人気を獲得している「LABUBU」グッズ(中国・上海。Getty Images)

 キャラクターグッズの企画、開発から販売まで手掛ける香港上場の中国企業「ポップマート」(Pop Mart International Group:香港9992)の株価が大きな上昇トレンドを形成している。2024年2月5日には安値15.702香港ドル(修正株価)を付けていたが、それから約1年4か月後の2025年月6日10日には258.8香港ドルで引けており、株価はテンバガー(10倍)を超え、15.5倍に跳ね上がっている。

 株価急騰の要因は業績の急成長だ。直近3期の業績推移を振り返ってみよう。新型コロナ禍でのグッズ需要急増の反動で、2022年12月期業績は3%増収、44%減益に沈んだが、2023年12月期は「SKULLPANDA」「MOLLY」の流行で36%増収、128%増益と回復。2024年12月期は「LABUBU」の爆発的人気で107%増収、189%増益と急成長となった(直近四半期ベースは未開示)。

 ポップマートは鄭州大学の学生の頃から起業活動を行っていた王寧CEOが2010年、23歳の時に北京市中関村に上京して立ち上げた民営企業である。15歳から40歳の若者をターゲットとしており、アーティストを自ら発掘し、彼らの知的所有権をインキュベート(孵化)し、多様な形態のフィギア、ぬいぐるみなどの形で収益化するといった事業を行っている。

 2024年12月期のブランド別売上では、「LABUBU」を中心とした「THE MONSTERS」が全体の23%、「MOLLY」が16%、「SKULLPANDA」が10%、「CRYBABY」が9%など、契約アーティストが全体の85%を占め、ライセンスブランドが12%、その他が3%を占める。製品別では、フィギュアが53%、ぬいぐるみが22%、メガ(大型化:10倍、40倍など)商品が13%、アクセサリーなどの派生商品、その他が12%を占める。

 販売ルート別では、中国本土が全体の61%(オフラインが35%、Pop Draw、天猫フラッグシップ店、ドウインなどのオンラインが21%、卸売りなどが5%)、海外は39%(オフラインが24%、ポップマートオフィシャルウェブサイト、Shopee、TikTokなどのオンラインが11%、卸売りなどが4%)を占める。国内に401店舗、自動販売機設置が2300か所、海外(香港、台湾を含む)に120店舗、自動販売機設置が172か所ある。

 2024年12月期の増収率を国内、海外に分けるとそれぞれ52%増、375%増、売上増加に対する寄与率では海外が59%を占めている。同社株をテンバガーに押し上げた原動力は海外事業の急拡大で、具体的には「LABUBU」の爆発的な大流行だ。

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