株価が下がっても「株主優待」で元手を回収
DAIBOUCHOU氏によると、10万円株の最大のメリットは「株主優待」だという。
「株数が増えても優待の中身が変わらない銘柄であれば、最低単元の100株だけ持っている人が一番有利といえます。そういう銘柄を分散して持っていれば、多くの優待を享受できることになる。
投資額が10万円以下の銘柄の場合、株価が上がった時に売ってもさほど利益は出ません。なので中長期で保有して、株主優待や配当を“チャリンチャリン”ともらい続けるほうがいいと思います」
10万円株を長く保有していれば、株価が大きく下がったとしても株主優待で元手を回収できるというケースもある。
DAIBOUCHOU氏は10年ほど前、ヘルスケア系の通販会社の「北の達人コーポレーション」(東証プライム2930)の株を購入。株価は2018年に1000円を超えたが、コロナ禍を境に会社の業績が悪化し、現在は140円前後まで下落している。
「株価が大きく下がってしまったとはいえ、『北の達人コーポレーション』は株主優待の利回りが非常に良いんです。100株以上を1年以上保有していれば、株主優待で4864円相当の自社製品(まぶたのたるみを引き上げる美容ジェル)と、同社のECサイトで使える金券2000円分が毎年もらえる。現在の株価だと100株を1万4000円ほどで買えますから、それを3年くらい保有していれば優待だけで元が取れてしまうことになります。この銘柄は今後も株価は気にせず、“優待株”として保有し続けようと思います」
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【プロフィール】
DAIBOUCHOU/1973年生まれ、東京都在住。各企業の財務諸表分析を中心とした、割安成長株への超分散投資を得意とする。2000年の会社員時代に200万円の元手から株式投資を始めて、約4年で「億り人」になる。その後、安定重視の中長期投資にシフトして、資産10億円を達成。著書に『バリュー投資の億り人が教える 新NISA「成長投資枠」で1億円:10日で学ぶ10年10倍株の探し方』(東洋経済新報社)など。