IPO銘柄を手に入れるために
コツコツと節約して貯めた800万円が半年で600万円に減った。投資から撤退してもおかしくなかったが、天間氏が歩みを止めることはなかった。そこで着目したのがIPO(新規公開株)だった。
「投資についてまったく勉強していなかったので、完全に素人でした。勉強しなければダメだと反省はしましたが、不思議なくらい『やめよう』とは思いませんでした。ITバブルの崩壊が2000年に入ってから落ち着きはじめ、その後、2003年から2006年にかけてIPOバブルが来ました。ホリエモン(堀江貴文)さんがITベンチャーを買いまくって上場させていた頃で、IPO銘柄は4倍、5倍に値上がりすることもザラでした。
IPO銘柄を手に入れるためには、証券会社に申し込み、抽選で割り振られるのを待ちます。当時、新規に口座開設した大和証券に新生銀行のIPOに申し込むと、数千株配分してもらえました。新規に口座開設した顧客が優遇されることが多いということをこの時知りました。かなりの利益が出たので、片っ端から証券会社に口座を開いてIPOを申し込みました(笑)。今も30口座くらい持っています。
新興企業が上場する時は、主幹事ほか副幹事や平幹事など複数の証券会社が関わり各社に株が配分されるので、申し込めるものはすべて申し込みました。IPOは抽選に外れても損するわけではない反面、当たれば儲けもので1か月分の給料を超えるような利益が出ます。もちろんIPOとは別に株式投資もやっていて、この頃資産は4000万円を超えました」
そうして様々な投資手法を試し、現在は「株式よりも不動産の占める割合が大きくなっている」という天間氏。具体的にはどのような不動産投資を実践しているのか。関連記事『【資産数億円の天間友弘氏がポートフォリオを初公開】多くを占める不動産投資における“勝ち確物件”とは? 売りに出ている物件の何をどう調べるか、成功のポイント』では全資産のポートフォリオとともに詳しく紹介している。
【プロフィール】
天間友弘(てんま・ともひろ)/大手電機メーカーでエンジニアとして働く会社員時代の23歳から金融・投資の勉強を始め、2016年に40歳でFIRE(早期退職)達成。投資歴26年。オンラインサロン『てんてんらぼ』を主宰し、投資ノウハウを提供。IPO、株式、債券、不動産、暗号資産、ヘッジファンドなど、幅広い分野で理論的なポートフォリオ運用を実践している。
取材・文/清水典之