32年間でS&P500は12倍の成長
その他、米国企業はガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)の面でも世界的に評価が高く、さらに株主還元の意識が高いため、投資家は安心して投資できる環境が整っていると言ってよいでしょう。米国では「会社は株主(投資家)のもの」という考えが非常に強いのです。
こうしたさまざまな長所があるので、米国企業は過去数十年、他国に比べて優位なパフォーマンスを示してきました。
たとえば、米国株式市場の代表的な株価指数の1つであるNYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)は、ここ30年で10倍以上の価格に上がっています。100年スパンで見ると、300倍ほどにもなっています。仮に100年前に100万円投資していたら、今は3億円になっているということです。
また、S&P500種株価指数も約30年で12倍ほど成長しています。さらにS&P500には、赤字企業は採用されないなど厳しいルールがあります。採用されても業績が悪化すれば容赦なく外されてしまう。新陳代謝があり、常に優良企業だけが採用されているのです。
日本をはじめ、人口減少や高齢化に悩む先進国は経済成長にかげりがありますが、米国は依然として移民の流入などによって人口が増え続けており、経済もますます発展することが見込まれます。地球の人口が増え続け、人間が便利さや幸せを追求するかぎり、需要は増え続けるので企業は成長し、株価は上がっていくのです。
日本から米国への投資には為替リスクなども伴うため、心理的にハードルの高さを感じる人は多いかもしれませんが、米国企業への投資が危険であるということは思い込みであるとお分かりいただけたと思います。むしろ、世界中で稼いでおり、投資対象として、日本企業より売上高や利益が大きい米国企業にも目を向けてみてはいかがでしょうか。