今年に入ってからのちょる子さんの含み益の一部。長期投資で利益を着実に積み上げる
投資上級者は今の相場でどんな銘柄を買っているのか──。2人の子供を育てながら2億円を超える資産を築いた子育てママ投資家・ちょる子さんが、最近購入した銘柄について解説するとともに、安定的に収益を上げるための投資手法を明かしてくれた。
「高配当株は今後も底堅く推移するはず」
ちょる子さんが最近購入した銘柄のひとつが、USスチール買収が完了した日本製鉄(東証プライム・5401)だという。
「6月18日にUSスチールの買収が完了した直後、日本製鉄株は夜間取引で株価が一時8%も上昇しました。市場がいかにこの買収を評価しているかが分かりました。
配当を重視する投資家にとって、4%台という安定した配当と、大規模な増資をしない方針という希薄化リスクの少なさは重要な投資判断の材料になります。市場全体を俯瞰すれば、2023年に東証がPBR(株価純資産倍率)1倍を割り込んだ企業に対して改善を促したのが転換点でした。それ以降、企業の株主還元意識が急速に高まり、今年に入ってから5月までに自社株買いが過去最高の12兆円に達しています。これだけの資金が市場に流れ込めば、高配当株は今後も底堅く推移するはずです」(以下、「」内コメントはちょる子さん)
短期売買ではテクニカル分析のひとつである「ボリンジャーバンド」を活用しているというちょる子さん。「移動平均線の上下に統計的な価格変動幅を示した指標で、株価の反転タイミングを見極めることができます」という。
「『売られすぎ』の株価水準を判断する時、ボリンジャーバンドの『マイナス3σ』のラインを株価が下回れば、反発の可能性があると判断しています。ただし、『マイナス2σ』と『マイナス3σ』の間で株価が推移し続ける『バンドウォーク』の状態になると、ダラダラと下落が続く危険性もあるので警戒するようにしています」