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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「コスパ重視のさもしい飲み会」「タイパ重視で余った時間はスマホゲーム」…そんなことをするぐらいならまず収入を上げる努力をしよう

落ち着く店は人それぞれ

落ち着く店は人それぞれ

 昨今「コスパ(コストパフォーマンス)」と「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉をよく聞くようになった。コスパは「払った金額より得られる満足度が高い」、タイパは「時間を節約して高い満足度を得る」といった意味合いだ。だが、これらの言葉が流行することに違和感を覚える人もいる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、その真意を綴る。

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 飲み会の幹事が「この店はコスパがいいんですよ~」などと得意げに言うことがありますが、いい年したオッサンになると「別にそんなもんどうでもいい」と思うようになります。さすがにぼったくり店はイヤですが、「盛りが良い」「この高品質にしては安い」ことはそれほど重視しなくなる。

 多少値段が高く量が少なくとも、落ち着いた雰囲気や店員の感じが良い店を求めるようになる。何よりも「コスパ」という言葉には、「得をしたい」という剥き出しの欲望を感じてしまうんですよね……。予約してくれたのは有難いものの、コスパについては触れないでほしいと思います。グルメサイトの口コミでも「コスパ」という言葉が頻出しますが、そもそも外食はファストフード等の「個食」以外はコスパは悪いものなんですよ。

 それこそ、しゃぶしゃぶ食べ放題やらバイキングなど、少しでも多く食べて元を取ることを考える人々が食べ物に群がって、山盛りの皿をトレーに乗せて歩いている姿は、なんともさもしい。無料だから、と牛丼屋で紅生姜を大量に乗せる姿も見ていて気持ちいいものではない。紅生姜はスーパーで買ったら一袋98円とかしますが、70円分ぐらいを平気で乗せ、さらにはSNSで「紅生姜丼じゃー!」とアピールするために撮影する姿にも嫌悪感を覚えます。

 そういったこともあり、何かにつけて「コスパ」を重視する人との会食は、そのさもしさが漂うため、好みません。だって、飲み会なんてものは「その場で得られる人間関係や楽しいものに対してお金を払う」というものだと考えているから。ただ単に量と味に対するコスパを重視するのであれば、「行かないのが最高のコスパ」となるのでは。お金を使いたくないのであれば、閉店間際のスーパーで4割引きの刺身を買い、備蓄米とともに食事にすればいいんですよ。他人との会食や飲み会に「コスパ」の概念はそぐわない。

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