先週の日経平均は週間で1637.12円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月22日~7月25日の動きを振り返りつつ、7月28日~8月1日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で1637.12円高(+4.11%)の41456.23円で取引を終了。24日には一時、2024年7月以来の42000円台にまで上昇した。連休明けの東京市場は参院選の結果を受けてのスタートとなったが、自公過半数割れという状況になったものの、下げは小幅にとどまった。もともと与党の苦戦が伝わっていたほか、連立の枠組みなどによっては市場にむしろプラスになる可能性も意識され、あく抜けムードも強まったもよう。
翌23日には、日米関税交渉の合意が伝わり約1400円高の急伸となった。日本に対する相互関税は、これまで示されていた25%から15%にまで引き下げられた。また、自動車・自動車部品の関税も15%まで引き下げられている。参院選直後のタイミングでの合意発表となり、とりわけ、すみやかな関税率引き下げへのハードルは高いと見られた自動車関税も引き下げられたことで、市場にはポジティブサプライズが強まったもよう。大手自動車株が買い戻しも交えて一斉に急伸し、指数の押し上げを牽引する形となった。その後も米国株高などを支援に上値追いとなったが、さすがに、2営業日で2000円を超える上昇となっていた週末は、利食い売りの動きが優勢で反落となっている。
なお、7月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を2002億円買い越したほか、先物は400億円買い越し、合計2402億円の買い越しとなった。14週連続での買い越しとなっている。一方、個人投資家は現物を1011億円売り越すなど、6週連続での現物売り越しとなっている。
新たな関税率が発動予定の8月1日を前に税率引き下げが織り込まれる形とはなったが、日本の合意内容履行を四半期ごとに調査、トランプ大統領が不満を持てば25%に関税率が戻るなどとも伝わっている。短期的には主にどの点が焦点になるのかなど不透明要素は強く、少なくても、自動車メーカーなどにとっては設備投資や製品開発などの判断が立てにくい状況に変化はないようにも感じる。買い戻し一巡後は、先週の関税引き下げを手掛かりとした一段の上値追いは限定的になるものと考えておきたい。
今週は、日米で金融政策決定会合が開催されるほか、欧米では4-6月期の国内・域内総生産(GDP)、米国では雇用統計など重要な経済指標の発表も多い。さらには、国内外で主力企業の決算発表も集中する。非常に注目イベントの多い一週間となるだろう。週末には米国の新たな関税率適用を控えて、米国と各国の交渉結果なども多く表面化することになろう。さらに、参院選総括の両院議員懇談会、臨時国会召集なども予定され、自民党総裁の石破首相の進退問題などにも焦点が当たってこよう。石破首相が退陣を固辞し続けるようであれば政局の混迷が増す状況にもなり、リスク要因と捉えられる。