今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが8月4日~8月8日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米国の緩和的な金融融政策は遠のき、ドル高円安の流れは継続しそうだ。日本の利上げ時期は不透明となり、日米金利差を意識した円売りが米ドルを含めた主要通貨を押し上げる展開となろう。7月29-30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが決定された。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は従来通り、一段の緩和的な政策に慎重な姿勢を示した。31日発表された米コアPCE価格指数も強い内容でインフレ加速が裏付けられた。米トランプ政権の高関税政策で物価上昇圧力が意識されやすく、当面はドルに買いが入りやすい展開が予想される。
一方、日本銀行は7月30-31日開催の金融政策決定会合で、予想通り現行政策の維持を決めた。日米貿易合意で不確実性はやや払拭されたものの、参院選での野党躍進で引き締め的な政策はなお遠く、円安トレンドが見込まれる。ドル・円は下げづらい値動きが続くものの、トランプ米大統領がFRB議長人事に言及し、利下げへの圧力を一層強めた場合はドル売りが強まる可能性がある。急速なドル高円安を警戒して利益確定売りも警戒される。
【米・7月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)
5日発表の米7月ISM非製造業景況指数は51.4と、前月の50.8から改善が予想されている。想定通りなら金融緩和余地は縮小し、ドル買いを後押しする材料に。
【米新規失業保険申請件数】(7日発表予定)
7日発表の米新規失業保険申請件数はお改善傾向が続くか注目される。良好な雇用情勢が示されれば緩和的な政策の可能性は低下し、ドル買いの支援材料となろう。