27歳の頃には“億り人”の仲間入りをしたという遠藤洋さん
トランプ関税ショックが和らぎ、不透明感の薄れた株式市場は日経平均株価が4万円台を回復するなど株高ムードが色濃くなっていたが、8月1日にはアメリカの雇用統計が発表され、景気後退への警戒感が広がり、株価にも影響を与えた。相互関税発動の影響なども含め、予測しづらい相場展開のなかで、投資初心者はどう対応すべきなのか。小型株投資の達人で、『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』などの著書がある“億り人”遠藤洋さんが、投資初心者向けにアドバイスする。
まず今後の相場展開について遠藤さんは、「年末まではボラティリティ(株価の変動率)が高い相場になる」と予想する。
「右肩上がりでぐんぐん上昇していくというイメージはなく、上がったり下がったりを繰り返す、ボラティリティが高い相場になると予想しています。また、今現在の相場感としては、全体的にそこまで割安な水準ではないので、当面は上値も限定されるかもしれません」
こうした相場見通しを踏まえると、投資初心者はデビューを見送ったほうがよいようにも思えるが、遠藤さんの考えは異なる。
「『投資をいつ始めたらいいですか?』という質問をよく受けますが、答えは“今”です。今が高値だからといって、立ち止まる必要はないと思います。投資を始めるには、早ければ早いほどいいと言われます。自分の人生において一番若いのが今です。まずは“今”少額から始めるのがよいと思います。さっさと初めて、小さな暴落を経験することが大事です。その経験を積むことで、将来的な相場の波に対応できるようになると思います」
乱高下が激しい相場が予想されるなか、どの業界に注目したらいいのかも悩みどころだ。
「『どういう業界がいいですか?』という質問もよく受けるんです。最近流行りのAI業界や半導体業界が注目といった声もあると思います。しかし、私の答えはそういう具体的な業界ではなく、『あなたが仕事で関わっている業界や、興味のある業界に注目してほしい』です。仕事で関わっている業界であれば、意識せずともその業界の最先端のトレンドに触れることができる。その情報を“仕事のため”だけで終わらせず、投資に活かしてほしい」