企業の決算発表に先んじてユーザーの消費行動を追う
仕事に限らず“趣味・嗜好”にかかわる業界も、投資対象になり得るという。
「誰しも、好きなものに関する情報のアンテナは高いと思います。例えば、アニメやゲーム好きの人にとっては、あるコンテンツのゲームがリリースされるという情報は、他の人よりも早く目に付くでしょう。本格的に流行する前に情報があるだけで、他の投資家より一歩速く魅力的な株を仕込むこともできるわけです。
このように、自分がアンテナを高くもっている業界であれば、たとえ業界全体が右肩下がりでも、その業界に関連する活気のある業界や企業を見つけることができます。ある業界全体の調子が悪くても、そこに使われていたお金は別の場所に流れます。そうした、消費行動の変化もリアルタイムで把握できるはずです」
株価が上昇するのは、企業が業績を伸ばすからだ。そして業績を伸ばすには、人間の消費行動が大きく関わる。
「特にBtoCビジネスでは、企業の売上や利益につながるのは、消費者の行動です。その結果が3か月ごとの四半期決算で発表される。企業が発表する決算情報と、実際のユーザーの消費にはタイムラグがあるのがポイントで、発表される数字ばかりを追うのではなく、生活の中での肌感覚を大事にしてほしい。関税ショックなどイレギュラーなことがあれば市場全体に影響してきますが、基本的には消費者の消費行動が企業の利益に反映されると考えていいでしょう」
遠藤さん自身も、日本に上場している企業をすべて把握しているわけではなく、自分が関心を寄せている業界から広げるように調べ、投資先を選んでいるという。関連記事『小型株投資の達人・遠藤洋さんがリストアップ「数年後に大化け期待」のグロース株4選 コンサルから通販まで、伸びる会社は「筆頭株主に注目しよう」』で、遠藤さんが注目する具体的な銘柄について解説している。
【PROFILE】
遠藤 洋(えんどう・ひろし)/1987年埼玉県生まれ。東京理科大学理工学部を卒業後、ベンチャー企業を経て26歳のときに投資で得た資金を元手に独立。本質的な価値を見極め「1年以内に株価3倍以上になる小型株」へ集中投資するスタイルで、最大年間利回り+600%、1銘柄の最大投資益+1760%を達成。短期トレードではなく、本質的な価値を見極め「半年で株価3倍を目指せる小型株」に集中投資するスタイル。『プレジデント』や『経済界』『週刊ダイヤモンド』などメディア出演多数。