【決算後】やるべきこと・やってはいけないこと
決算発表のあとは、まず一次情報である「決算短信」に目を通しましょう。ポータルサイトの速報だけでは、数字の印象が偏ることがあります。売上や利益の前年同期比、会社予想に対する進捗率、事業環境や経営方針に変化がないかなど、ポイントを押さえて確認しましょう。
内容を見て、構造的な問題がある、あるいは市場環境の悪化が目立つようであれば、早めの売却を検討するのが無難です。ただし、たとえば「広告宣伝費を前倒しで計上した」など一時的な要因による減益であれば、過度に気にする必要はありません。
また、決算後に急騰した銘柄を見て「今からでも買いたい!」と思うかもしれませんが、飛びつきは禁物。高値づかみになるリスクが高いため、いったん冷静になりましょう。決算内容を丁寧に分析した上で、「この価格なら割安だ」と思える水準を自分なりに設定し、その水準に近づいたら購入を検討するのが賢明です。短期的な株価の動きは、必ずしも企業の実力を正しく反映しているとは限りません。
決算発表は、投資家の感情を大きく揺さぶるイベントです。だからこそ、自分なりのルールや判断軸を持って、冷静に対応することが大切です。まずは、保有銘柄の決算スケジュールをチェックすることから始めてみましょう。それだけでも、リスク管理の精度が大きく変わってきます。
今回のまとめ
・決算前は発表日を確認し、持ち越しするかどうか判断を
・決算後は短信で内容精査、飛びつきNG
・感情に流されず自分のルールで判断を
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。
個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん