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キャリア
知っておきたい「教育現場」の最新事情

《少子化の中で人気高まる通信制高校》昨年は303校で前年度から14校増加、今年も25校新設 N高ほか代表的な「サポート校」の特徴を解説

N高ほか、「サポート高」ではどういった教育活動がされるのか

 学校の運営自体も全日制高校に比べて柔軟です。通信制高校には「サポート校」という仕組みがあります。サポート校では卒業資格を取得できないのですが、「1条校」(*注/学校教育法第一条に定められた正式な高等学校として認められている高校で、卒業すれば高校卒業資格を取得できる)の通信制高校と連携することにより、そこでの学びとサポート校での学びを合わせることで高校卒業資格が取得できます。ということはサポート校での教育活動は実質的に民間塾と同じであり、基本的にその学校の自由になりますから、連携先の1条校において高校卒業に必要な要件(単位の取得など)をクリアする必要がありながらも、それ以外で教育活動が自由に展開できると言えるのです。

 代表的なサポート校を3つ取り上げます。

・N高等学校・S高等学校
 角川ドワンゴが運営する通信制高校で、オンライン授業やプログラミング、デザインなど最新のIT技術を学べるカリキュラムが魅力です。生徒は自宅から学習可能で、全国どこでも入学できます。プロジェクト型学習(PBL)や海外大学進学支援もあり、多様な進路に対応しています。在籍生徒数は約30000人。

・第一学院高等学校
 生徒一人ひとりに合わせた「担任制サポート」を特徴とし、不登校経験者や学び直しを希望する生徒にも手厚い支援をおこなっています。スクーリングは全国のキャンパスで対応可能。職業体験や資格取得支援を通じて、進路実現を目指します。在籍生徒数は約600人。

・クラーク記念国際高等学校
 全国にキャンパスを持つ通信制高校で、スポーツ・芸術・留学プログラムが充実しています。特に全日制に近い学習環境を提供し、学校行事や部活動にも力を入れています。大学進学率も高く、進路指導に強みを持っています。在籍生徒数は約11000人。

 現在、参入が相次いでおり、不適切な教育活動が横行しているとの指摘もあります。設置時のチェックを厳しくすることなどで、質の確保を目指す動きなどが文部科学省の有識者会議でも議論され、実際に周知されています。今後は規制が厳しくなっていく可能性がありますが、ますます盛り上がりを見せる業界とも言えます。

※宮田純也書『教育ビジネス 子育て世代から専門家まで楽しめる教育の教養』(クロスメディア・パブリッシング)から一部抜粋して再構成

【プロフィール】
宮田純也(みやた・なおや)/一般社団法人未来の先生フォーラム代表理事・学校法人宇都宮海星学園理事・横浜市立大学特任准教授。早稲田大学大学院教育学研究科修了(教育学修士)。大手広告会社などを経て独立後、日本最大級の教育イベント「未来の先生フォーラム」と「株式会社未来の学校教育」の創設、約2億7000万円の奨学金の創設、通信制高校の設立に関わるなど、プロデューサーとして教育に関するさまざまな企画や新規事業を実施。2023年には「未来の先生フォーラム」と「株式会社未来の学校教育」を朝日新聞グループに参画させ、子会社社長を務めた。現在はこれまでの実績をもとにしてなど、さまざまな立場や役割で教育改革を推進している。編著に『SCHOOL SHIFT』『SCHOOL SHIFT 2』(明治図書出版)、監修書に『16歳からのライフ・シフト』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著:東洋経済新報社)。

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