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ライフ

工事現場での爆発事故に巻き込まれて自宅が破損…損害賠償はどこに請求すべきか? 原因によって異なる“責任の所在”について弁護士が解説

どこに賠償請求すればいいのか(イラスト/大野文彰)

どこに賠償請求すればいいのか(イラスト/大野文彰)

 工事現場で爆発事故が発生。その原因は地中に埋まっていたガスボンベだったという──。事故に巻き込まれて自宅が破損した場合、損害賠償はどこに請求すべきなのか? 実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。

【相談】
 先日、近所の工事現場で爆発事故があり、その影響で自宅のガラス窓が破損。原因は、埋まっていたガスボンベが工事中に損傷し、引火したことです。

 ガスボンベが埋められたのは60年以上前で、当時の土地の所有者はすでに亡くなっているようです。私の損害は、現在の土地の所有者、工事業者に請求できますか。(東京都・60才・パート)

【回答】
 爆発の可能性があるガスボンベを地中に埋設すれば将来爆発する恐れがあることは予見可能ですから、60年以上前にガスボンベを埋設した者には少なくとも過失があり、埋設したために爆発が起こったといえるので、因果関係が肯定され、不法行為責任を負います。しかし、60年以上前の不法行為ですから改正前民法の除斥期間が経過しており、責任を追及できません。

 次に、爆発物が地中にあることは、その土地を建物の敷地として使用するうえで通常必要な安全性を欠いていることになり、土地に瑕疵(欠陥)があったことになります。瑕疵による損害の賠償は土地の占有者がまず責任を負い、占有者が事故の発生を防止するために必要な注意義務を尽くしていれば責任を免れ、最後に所有者が責任を負います。工事現場で地中埋設物が爆発すれば、現場の占有者である工事業者のほか、工事発注者(施主)も間接占有者として関係してきます。

次のページ:原因によっては工事業者や土地所有者に賠償請求可能
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