「トランプ大統領に逆らわない投資がよい」とおけいどん氏は指摘する(Getty Images)
トランプ米大統領の相互関税を巡る発言は相変わらず世界の株式市場の動揺を誘っているものの、日経平均株価が史上最高値を更新するなど株高の機運が高まっている。とはいえその一方で、米国景気の悪化懸念などもくすぶっており、右肩上がりの展開が続くかどうかは不透明だ。そうした状況下でどのような投資先を選べばいいのか。日米など世界の高配当株・増配株への長期投資でコツコツと2億円の資産を築いた“億り人”投資家・おけいどん氏は「トランプ政権中もその後も需要が伸びる米国株が有望」と指摘する。
新刊『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)が話題のおけいどん氏が、米国株相場の見通し、さらなる成長と株価上昇が期待できる業界とその理由を解説する。
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米国株相場の見通しを計るうえで一番のポイントに挙げられるのは、トランプ大統領の動きでしょう。2025年4月の「トランプ関税ショック」が象徴するように、トランプ大統領の言動は相場を大きく左右しますが、相場に「耐性」がついてきた気配があり、以前ほどには株価は反応しなくなったのは安心材料と言えるでしょう。
ただ、これから米国が各国に対して著しく関税を上げたり、特定分野の製品に想定外の高い関税率を適用する方針を打ち出したりするならば、「関税インフレ」にも警戒が必要です。米国でインフレが進めば、利下げ期待は後退します。利下げ期待が後退すれば、株価にはネガティブな要因となります。
トランプ劇場は「あと3年半続く」
世界情勢も相場を左右します。ウクライナ・ロシア情勢をはじめ、中東情勢もめまぐるしく変化しています。台湾有事のリスクも忘れてはなりません。この分野でも、トランプ大統領の采配が注目されます。
「トランプ劇場」はあと3年半続きますので、トランプ大統領に逆らわない投資がよいと私は思います。
もっとも、トランプ大統領は2度目の登板であり、大統領の任期は合衆国憲法で2期8年までと定められているため、三選(3期目)はありません。3年半後には「アフター・トランプ」の世界が訪れるのです。よって、トランプ政権中もその後も需要が伸びる業界への投資を考えるべきではないでしょうか。