「失敗続きの証券トレーダー」から、どうやって勝てる投資家に変われたのか(イラスト:イメージマート)
日経平均が約1年ぶりに史上最高値を更新し、株式投資への注目が改めて高まっている。ただ、そのテクニックが書籍化されているような投資の達人でも、最初から大きな儲けが出せたわけではない。約2年で資産17.5倍を達成した個人投資家・かぶカブキさんもそんな遍歴を持つ1人だ。
元証券マンという経歴のかぶカブキさんは、『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株』(KADOKAWA)の著書があり、元手94万円を2年弱で1646万円に増やした経験を持つ。そのかぶカブキさんに、投資を始めたばかりの頃を振り返ってもらった。
「投資に触れたのは、学生時代に講義でデモトレードを体験したのが最初でした。実際にやってみたくなって買ったんですが、数年経っても株価が変わらなかった。“大して儲からないな”と、その時は興味を失いました。
それが大学を卒業後、IT関連企業で営業をやっている時に、先輩との雑談のなかで“株で大儲けしている投資家がいる。その人が勧める銘柄が上がる”と聞き、興味が再燃したんです」(以下、「」内コメントはかぶカブキさん)
200万円が1日で120万に減った
ところが、当時の全財産の200万円を投資に回したところ、1日で120万円まで減ってしまう。
「しばらく立ち直れませんでした……。それでも懲りずに続けて、120万円まで減ったところから1000万円にまで増えるなど、うまくいった時期もありました。ただ、それも行き詰まってお金が尽きるという経験もしました。
そこで考えたのが、証券会社に勤めるという選択でした。それなら、株をやりながら生活もできる。一石二鳥だなと思って証券会社を目指す流れでした。ディーラーとしての業務経験がなくても応募できるというので、120万円を1000万円にした経験をアピールしたところ、見事採用されました」
そこからが苦難の道のりだったという。