「そもそも実力がないので、全く利益が出ませんでした。月給もない完全な歩合制で、貯金を減らす毎日になった。結局、その証券会社は1年も持たずクビになってしまいました。別の証券会社に再度転職して、そこは基本給が月15万円あって、それ以上は歩合制という仕組みだったと思います。今度は基本給をもらいながら、他人のお金で株取引ができるのは最高だなと思ってやっていたんですが、それもうまくいかなかった(苦笑)」
デイトレードで大きく稼ぐ同僚から教えを受けたこともあるというが、「僕は苦手で全然うまくいかなかったですね。相当勉強したんですけど、ダメでした」と振り返る。かぶカブキさんは、性格的にデイトレに“向き不向き”があると考えるようになったという。
「センスもあると思いますし、僕が最終的に思ったのは、人がよくて流される性格とか、空気読む性格の人は、多分負けやすいんじゃないかな。そういう結論に至りましたね。悪い人が儲かるってわけでもないと思うんですが、人の裏をかける人のほうがうまくいきやすいのかなと。僕はうまくいかなかったので、1年も持たずに“戦力外通告”を受けました……」
そこからコミュニケーション能力を買われたかぶカブキさんは、証券会社の営業職に転籍。顧客である投資家の「成功と失敗」を目の当たりにすることで、銘柄選びや売買のタイミングについて学んでいく。退職後はその経験をもとに、決算書などの公開情報を分析して、上り調子からさらに伸びていく銘柄を選ぶスタイルを確立。現在に至ったという。
そんなかぶカブキさんが現在、注目するのはどのような銘柄か。関連記事『《2年で元手94万円→1646万円の元証券マンが4銘柄を厳選》10倍株、50倍株を狙うかぶカブキさんが不動産、海底ケーブル、造船の「急成長期待銘柄」を紹介』で詳しく解説していく。
【プロフィール】
かぶカブキ/元証券マンの個人投資家。投資歴17年。元手94万円から、1年11か月で自己資産を17.5倍の1646万円に。現在は6000万円超の資産を運用している。2023年8月、『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株』(KADOKAWA)を上梓。専門知識ゼロでもできる企業分析の手法を確立し、大化け期待株を狙う。