「収益」を正しく理解する(写真:イメージマート)
安定して勝てる投資家になるには、どのような点に気をつければよいのか。「株式投資はムードやブームに乗って成功することもありますが、それでは“まぐれ当たり”にすぎません」というのは、個人投資家向けレポートを提供するカブ知恵代表・藤井英敏氏だ。
2008~2009年にかけて雑誌『マネーポスト』誌上で連載された情報量満載の株コミック『俺がカブ番長!RETURNS』の監修を担当した藤井氏は、「投資するにあたってより確かな根拠を持つためには、その企業の実力である業績などを分析する『ファンダメンタルズ分析』が基本となります」として、こう続ける。
「企業のファンダメンタルズを分析するには、収益を正しく理解する必要があります。まずは企業の売り上げを示す『売上高』、そしてそこから得られる『利益』は大きく分けて4つあり、その違いを理解しておくことが重要です」(藤井氏、以下同)
【1】営業利益
売上高から賃料や人件費、原材料費といった売上原価を差し引いた「本業の利益」。
【2】経常利益
企業が本業以外で得られる預金利息や保有株の配当金、あるいは借金返済の利息、本業以外のサイドビジネスといった営業外損益を足したり引いたりした利益。企業活動するうえで経常的に発生することから「経常利益」と呼ぶ。
【3】税引き前当期純利益
リストラのために工場などの固定資産を売却したり、災害などで生じた損失など特別損益を加えた利益。
【4】税引き後当期純利益
上記の税引き前当期純利益から法人税などの税金を差し引いたもので、純粋な利益なので「純利益」とも、最終的に残った利益なので「最終利益」ともいう。