今度はネトフリで(2023年。写真/AFP=時事)
Netflixは8月26日、2026年3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本国内での独占放映権を獲得したことを発表した。これまでの5大会ではいずれも地上波での中継があり、多くの人が無料でWBCに出場する日本代表チームの活躍を楽しむことができたが、今回Netflixが独占放映権を獲得したことで地上波で中継される見込みがなくなり、嘆いている野球ファンは少なくない。
現在はロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平を筆頭に、過去には多くのメジャーリーガーたちも出場しているWBC。2023年の第5回大会では地上波とAmazonプライムビデオで中継し、日本代表が出場した全7試合が地上波放送で視聴率40%を超える注目度の高さだった。
しかし来年開催の第6回大会はNetflixの独占配信で、地上波やBSなどでも中継は行われない見通しだ。前回大会の放映権料がおよそ30億円だったとされている一方で、今回Netflixが大会を主催するWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック株式会社)に支払う放映権料は150億円前後と報じられている。
日本のテレビ局が、資金力に勝るNetflixに太刀打ちできない状況だったという見方もできるが、これまで無料で野球を楽しんでいたファンには残念な展開だ。都内に住む会社員Aさん(40代男性)は、「父が困っている」と話す。
「私自身はすでにNetflixを利用しているので問題ないんですが、実家の70代の父にとっては大問題ですね。父は大の野球ファンで、毎日のようにBS NHKで中継されているドジャースの試合を見ていますし、夜はBS日テレの巨人戦をはじめ、毎日BS放送で野球を見ているんですよ。
でもネットには疎くて、サブスクサービスは一切利用していません。スマホは持っていますが、メールと電話が主な用途で、ネットニュースはあまり見ないし、検索もほとんどしない。WBCは毎大会ものすごく楽しみにしているので、今回のニュースにはかなり嘆いていました」
それでも今更状況が変わるとは思えない。父にWBCを見せたいため、Aさんは実家のテレビでNetflixを見られるようにする予定だという。
「実家にはパソコンもないので、大きな画面でNetflixを見るには、テレビで視聴できるようにしなければならない。その設定は僕が全部やる予定ですが、視聴習慣として見方を覚えられるかどうかは心配です」(Aさん)