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《貴重な収益源に》いつから「映画館の食べ物=ポップコーン」となったのか? 手軽につまめて原価も安い、観客・映画館双方にとってありがたい商品特性

映画館としてもありがたいポップコーンの浸透

 1930年までにアメリカで映画が人々の娯楽になると、大恐慌時代でも、「一袋5セントから10セントのポップコーンなら人々の手の届く食べ物」であり、「よく売れたのは作る過程でその香りが最大限に引き出されたからだ」というのです。子供はジュース、大人はビールのお供として、前述の機能面とコスト面を理由と考えると、食べながら映画に集中できる、映画館=ポップコーンという組み合わせが普及していったのかもしれません。

 映画館にとって、値段の高い入場料収入(映画鑑賞料金)が大きな売上を占めますが、その約半分を配給会社に支払うため、売店で売る商品、コンセッション収入が実は貴重な利益源になっているのです。原価の安いものが多く売れれば売れるほど利益率は高まるわけで、もはや「映画鑑賞時にはポップコーンを食べる」ことが当たり前になっているような文化の浸透は、願ったり叶ったりということでしょう。

 各シネコンでは、数種類の味やサイズをドリンクとセットで400円から1000円程度で販売。上映作品のオリジナルポップコーン用容器も販売して人気となっています。作り立てのポップコーンの匂いがすると、大好きな作品を思い出すなんて人もいるのではないでしょうか。

※和田隆著『映画ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より一部抜粋して再構成。

【プロフィール】
和田隆(わだ・たかし)/映画ジャーナリスト、プロデューサー。1974年東京生まれ。1997年に文化通信社に入社し、映画業界紙の記者として17年間、取材を重ね、記事を執筆。邦画と洋画、メジャーとインディーズなどの社長や役員、製作プロデューサー、宣伝・営業部、さらに業界団体などに取材し、映画業界の表と裏を見てきた。現在は映画の情報サイト「映画 .com」の記者のひとりとして、ニュースや映画評論などを発信するとともに、映画のプロデュースも手掛ける。プロデュース作品に『死んだ目をした少年』『ポエトリーエンジェル』『踊ってミタ』などがある。田辺・弁慶映画祭の特別審査員、京都映画企画市の審査員も務める。

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