東証の取り組みが個別株の推移にどう影響するか
日経平均株価が連日のように最高値を更新するなかでは、株高ムードに乗り遅れたくない気持ちになる一方、高値掴みへの不安も生じる。そうした状況下で、投資で億超えの資産を築いた“億り人”が実践するのが、配当がどんどん増える「増配株」への投資だ。配当収入と株価上昇が望める“お宝株”はどのように探せばいいのか──。
「小型割安株」「増配期待銘柄」への長期投資
「小型割安株」への投資を中心に5億円超の資産を築いた、京大卒の投資家兼経営者のヘム氏は、年間約1300万円(税引き前)の配当収入を得ている。
配当金という安定的な収入を得ながら、株価の値上がりで資産を増やしているというが、投資を始めた当初は手痛い洗礼を受けたと振り返る。
「社会人1年目の1997年、銀行の窓口で勧められるままに、当時注目されていたIT系やバイオ系の銘柄で構成されるテーマ型投資信託を購入しました。しかし、ITバブル崩壊後に半値近くで損切りすることに。その後、個別株投資に踏み出しましたが、“これからは××の時代だ”みたいな素人の軽いノリで銘柄を選んでばかりで、思うような成果は得られませんでした」(以下、「」内のコメントはヘム氏)
そんな失敗を重ねてたどり着いたのが、「小型割安株」「増配期待銘柄」への長期投資だった。
「企業の価値をしっかり分析して、その価値より安く売られている株を買う。これは『バリュー株投資』と呼ばれる手法です。加えて私は、長期にわたり増配期待が大きい株を買っています。この投資手法の最大の特徴は、安全域が大きく、再現性が高いことだと考えています」