「形見分け」で揉めるケースも少なくない(イメージ)
実の親以上に厄介ごとになることも多い「義父母の相続」。義きょうだいと骨肉の争いに発展した「実録トラブル集」から夫婦でできる対策を学ぶ。
宝石、腕時計、着物…義妹が「親の形見」を持って行った
都内在住の50代男性の妻は、義父を亡くして以降、義母を呼び寄せて面倒を見てきた。
だが義母が亡くなって葬儀が終わったのも束の間、妻の妹が「姉さん、これお母さんの形見だから持って行くよ」と言って、義母の着物や宝石、義母が大切にしていた義父の腕時計などを持って行ったという。
「義妹は全然親の世話をしてこなかったことに妻は不満を溜めており、義母が亡くなったことで姉妹間の溝が決定的になってしまいました。持って行かれた形見の品は計100万円近い価値があったようです。本来であれば遺産分配の対象だったはずで、金銭的にも損してしまった」(50代男性)
こうしたトラブルは多いと加藤氏が言う。
「現金や貴金属などは一度持ち去られてしまうとその存在や価値を証明することが極めて困難です。形見だからと気軽にもらって行ってしまう遺族は多いのですが、本来は被相続人の持ち物はすべて相続財産に含めなければなりません」
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