妻の没後に義父母との関係性を見直す選択肢もある(イメージ)
“部外者”ゆえ口を挟みづらく、かといって何もしなければ実の親以上に厄介ごとが降りかかる――多くの人を悩ませる「義父母の相続」。義きょうだいと骨肉の争いに発展した「実録トラブル集」から夫婦でできる対策を学ぶ。
法定相続人でもないのに…妻の没後も続く「義母の世話」
義父母より先に妻が亡くなるケースもある。
都内在住の60代男性は妻と義父母と同居していた。ところが義父に続いて妻を亡くし、現在は高齢の義母の面倒を見ながら同居している。
「自分の両親の世話は弟に任せていますが、私も少しは手伝わなければいけないと思っています。そもそも私は義母の法定相続人ではなく、妻も先立ったので義母が死んだら相続がどうなるのか疑問です。
自分に財産を残してもらうように遺言書を書いてもらうのもためらわれるし、この先もずっと介護を続ける必要があるのかと不安に駆られる時があります」(60代男性)
こうしたケースにはどう対応すべきか。加藤氏が解説する。
「夫が義母の財産を相続するには義母の遺言書による指定が必要です。養子縁組をして夫が法定相続人になることでも相続できますし、夫婦に子供がいれば代襲相続で義母の遺産を相続することも可能です」
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