保有株がストップ高になったときの対応は?
株式投資を続けていると、保有株がストップ高になる、という場面に出会うこともあるだろう。では自分の保有している銘柄がストップ高になった場合、どのように対応すればよいか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第160回は、「保有銘柄がストップ高になったとき」について。
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自分の保有している株がストップ高になった場合、どうすればよいのでしょうか? そんな贅沢な相談をされることがよくあります。そこで今回は、ストップ高をつけた株の対処法を紹介します。
まず確認すべきなのは、「なぜストップ高になったのか」という理由です。
理由が「業績好調」だった場合
当然、ストップ高になるということは、投資家にとって何らかの好材料があったはずです。企業のIRページや、その企業に関する記事を調べてみてください。ストップ高の理由が「上方修正」であった場合、それはもっとも正当な理由です。
たとえば、1株益予想が増額されたのであれば、それを踏まえて目標株価を再設定するのがよいでしょう。例として、元の1株益予想が100円で、PER(株価収益率)15倍の1500円を目標株価にしていたとします。それが上方修正で120円に増額された場合、120円×15=1800円に目標株価を引き上げます。仮にストップ高による株価上昇で1800円を超えた場合は、一部を利益確定し、残りは上昇トレンドが崩れるまで保有するのがよいと思います。
上方修正が出るときは、企業の増益率が拡大傾向にあるケースが多く、PERの評価自体が切り上がる可能性もあります。これまで15倍くらいが妥当とされていたものが、20倍まで許容される場合も。その場合、120円×20=2400円まで上昇することも十分あり得るため、その上昇についていくのがよいでしょう。
ただし、上方修正が事前に織り込み済みだった場合、実際に発表された時点で「材料出尽くし」となり、株価が下がることもあります。
これを見極めるのは難しいですが、業績の拡大が今後も続きそうか、それとも一旦この辺りがピークで今後は鈍化しそうかを見極めましょう。もしここがピークだと思うなら、ストップ高になった時点で売却するのも選択肢です。