推し活にも“節約志向”がトレンド(写真:イメージマート)
現在も衰えることのない「推し活」ブーム。2025年1月時点、日本で推し活をしている人は約1380万人、市場規模は約3兆5000億円に達するという報告もある(株式会社CDG「第2回 推し活実態アンケート調査」による)。
それなりの収入があり自由に可処分所得を使える30代以降に対して、Z世代を中心とする若年世代では、学業とアルバイトとを両立させながら推し活をする人が多い。最近では「アルバイト代をすべて推し活に使う」という楽しみ方ではなく、節約生活をしながら推し活を楽しむ若者も増えているという。実際に節約を意識するようになった20代推し活女性たちに話を聞いた。
韓国遠征も「割高」感、国内ホテル代も高騰で遠征を断念
男性アイドルファンの女性・Aさん(21歳)は、地元の居酒屋と学習塾のアルバイトを掛け持ちしながら、都内の大学に通っている。奨学金を借りており、親からの援助もないため、アルバイト代の範囲で推し活を楽しんでいるというが、昨年までは「収入のほぼすべてを推しに使っていた」と打ち明ける。
「コロナ禍にK-POPにハマって、そこからバイト代すべてつぎ込んで推し活をしていました。韓国の音楽番組の公開収録のために渡韓したり、日本公演は全公演申し込みをしたりして、地方公演も遠征していたんです。そのためにバイトのシフトをぎっしり入れて大学も休みがちでした。
ただ、円安もあって韓国旅行が割高に感じるようになり、国内のホテル代も高騰して、それまで8000円程度で泊まれたところが1万5000円くらいに値上がったりと、正直きつくて……。チケット代やグッズの価格も上がっているし、目に見えて支出が増えるようになりました。まずは、グッズ購入を我慢して、そこから遠征も控えるようにしたんです」(Aさん)
湯水のようにお金を使う彼女に、親も不安を募らせたという。
「親からも『いい加減にしないと、大学の単位も落とすし、これからもっと物価高になるはずだから気をつけなさい。援助はできないよ』と注意されて……。たしかに将来のことを考えると貯金がないのは怖いので、『推し活は月に3万円まで、遠征はしない』とスタンスを変えることにしました」(Aさん)