自分以外の人が甘い汁をすするのがイヤ
戻ってくるつもりがないのに『離席中』の札を置いて帰るのは、どういった理由があるのだろうか。藤井氏が、パチンコ・パチスロユーザーの“心理”について説明する。
「いくつかのケースが考えられますが、ひとつは自分がたくさんお金を使った台で、誰か別の人が大きく当てるのが嫌だという心理。自分が同じパチンコ台に5万円使って全然当たらなかったのに、その後に座った別の人が数千円で当たって大連チャンしたら、『もうちょっと打っていれば、当たってたのに……』と思ってしまう。そう思いたくないから、自分の後は誰にも打ってほしくない、ということですね。特にパチスロの場合、一定のゲーム数を回すと何らかの救済措置が発生する“天井機能”がある機種も多く、天井直前で現金が尽きた場合、その後に座った人が比較的少ないお金での天井の恩恵を受ける可能性がある。自分以外の人が甘い汁をすするのがイヤなので『離席中』にして帰るというケースはあるでしょう」
逆に“良い台”だからこそ、他人に打たれたくないという心理のユーザーもいるようだ。
「パチスロの場合は、“高設定”を示唆する演出があります。設定が高いほど勝つ確率が高くなり、獲得できる期待出玉も大きくなります。だからこそ最高設定を示す演出が出た場合、そのまま閉店まで打ち続ける人がいる一方で、何か予定が入っているなどの理由でやめなければならない人もいる。でも、自分以外の誰かに高設定の台を打たれるのは嫌だということで、『離席中』の札を置いて帰るユーザーもいるようです。これもやはり“自分以外においしい思いをさせたくない”という身勝手な心理からくるものでしょうね。
いずれにしろ、戻ってくるつもりがないのに『離席中』の札を置くのは、マナー違反ですし、迷惑行為です。打つのをやめる際は、その後、誰でも打てるような状態にしておく必要があります」
そうした中で、パチスロの高設定台を打っていて、何らかの理由でやめることになったとき、その台の“譲渡”をほかのユーザーに持ちかけるユーザーもいるというが、ルール的に問題ないのか。関連記事【パチンコホールで禁止されている「台の譲渡」に要注意 「この台、8000円で買いませんか?」に応じてホール出禁になるリスク、「設定6ですよ」と教えるのは許容範囲か】では“台の譲渡”の実例を紹介するとともにその問題点について取り上げる。