「笑顔で『はーい!』と答えて、同じ濃さのものを提供します。でも、それでさらにクレームが来たことはありませんね」(Aさん)※写真はイメージ
「善意につけこんでいるようで…」
Aさんとは異なり、厄介なのはホールスタッフがドリンクを注ぐ役目を兼ねる場合だ。都内のダイニングバーに勤務するBさん(20代女性)は、「ワインを注いでいる時」に言われるそうだ。
「うちの店では、ワインは、スタッフがグラスにお注ぎするスタイルで提供しているのですが、注いでいる時に『もっともっと』『気持ちおまけして!』のように掛け声をかけ、定量以上に注ぐことを求めてくるお客さんがいます」
Bさんが働く店では、ワインは一杯130mlという規定があり、スタッフはグラスの約3分の1までを注ぐように練習するという。Bさんによれば、“気持ち多め”はグループ客の男性から言われることが多いようで、「そう言われても……」と困惑を隠せない。
「会社の部下とかを引き連れてきて、自分のノリの良さをみせたいんでしょうけど、こちらとしてはとても迷惑。一度やったら、何度も要求されかねないし、『あの店は多く注いでくれる』とか、『この間のスタッフはやってくれた』などという噂が出回っても面倒です」
ただし、接客方法的にも直接顔を合わせるため、断りづらいという。
「注いでる最中に言われるのは、こちらが断りづらいのを見越しているのかなと思ってしまいますね。また、仮に多めのサービスがあった場合も、それはあくまでサービスする側の気持ちでやるもの。多めで、大盛りで、と言われればきちんと断れるのに、気持ちで、と要望してくるところが、善意につけこんでいるようでイヤですね」(Bさん)

