“パチンコがホールの足を引っ張っている”
一方、不調が続いているのがパチンコだ。同調査での「稼動状況(パチンコ)」のDIは前回から7.6ポイント減の▲43.2ポイントとなっている。
「この調査の過去のデータを見ても、パチスロは6.5号機登場以降、景気が上向きになっていますが、パチンコはコロナ禍からマイナスのまま。しかも6.5号機登場以前は、パチスロよりパチンコのDIの方が高かったのが、6.5号機とスマスロの登場で、パチスロとパチンコの立場が逆転しています。現状では“パチンコがホールの足を引っ張っている”と見て間違いないでしょう」
パチンコ・パチスロにおいては、規制強化によって出玉機能が制限されるとユーザー離れが起きるのが一般的だ。パチスロでは、2018年から2022年にかけてそれまでの射幸性の高い5号機から出玉性能が制限された6号機へと移行し、この時期にユーザー離れが生じた。
「初期の6号機は5号機に比べるとかなり出玉性能が制限され、さらに5号機から6号機への移行時期がコロナ禍初期と被っていたこともあり、当時のパチスロの状況はかなり厳しいものでした。そんな6.5号機、そしてスマスロの登場で、パチスロ人気は復活していきます。
一方のパチンコは、パチスロが6号機に移行した時期には、一部のパチスロユーザーの受け皿としてホールを支える存在となっていましたが、スマスロ登場以降は人気が低迷。しかも現在のパチンコの出玉性能はむしろ緩和されていて、射幸性の高い機種が揃っている状況です。にも関わらず、ユーザーが戻ってきていないというのは深刻だと言えます」
年明けに期待の『転生の章2』が登場
好調だったパチスロが落ち着き始め、今後のパチンコ業界全体の景気には不安が残る状態だ。そうしたなかホールは、どういった方向に進んでいくのか。
「パチンコは“ラッキートリガー3.0プラス”搭載機などの高射幸の機種も増えていますが、支持の伸びはいまひとつで、出玉規制の緩和を集客に上手く結びつけられていない。今後メーカー側がいかにユーザーに支持される機種を開発していくかにかかっていると言えるでしょう。
ただ、パチンコは稼働が低迷しているにも関わらず、新機種も多くリリースされており、その導入費用がホールの首を絞めているのも事実です。なかなか明るい未来な見えないパチンコの設置台数を減らして、パチスロの設置を増やすホールも増えてくるかもしれません」
パチスロについては、年明けに期待の新機種の登場が待っている。5号機時代に人気を博した『北斗の拳 転生の章』の続編となる『スマスロ北斗の拳 転生の章2』だ。
「4号機時代の人気機種『北斗の拳』のリメイクである『スマスロ北斗の拳』の販売台数は8.4万台と言われています。そして、5号機時代の“北斗シリーズ”の最大の人気機種の続編となるのが『Lスマスロ北斗の拳 転生の章2』です。販売台数については3万台ほどを予定しているとの情報もありますが、ホールからの期待も大きく、5万台程度まで増えるのではないかとの話もあります。この『転生の章2』が『スマスロ北斗の拳』に迫る勢いでユーザーに大きく支持されれば、パチスロ人気は再び上向きになる可能性も高い。パチンコが難しい状況の中、“スマスロの大ヒット機種”が生まれるかどうかが、業界全体の未来を左右することになりそうです」
ヒット機種の登場がパチンコ業界にとっては何よりも重要ではあるが、人気機種をホールに導入するのも決して簡単ではないのも事実だ。関連記事【「パチンコの新機種が多くパチスロが少ないのはなぜ?」パチンコホールの経営を圧迫する「遊技機販売の縛り」問題 本命機種を導入するには“機歴”が重視される傾向、パチスロの新機種の適合率低迷も影響】では、ホールが抱える新機種導入に対する苦悩について紹介している。