地方初出店の初日に行列ができるのは見慣れた光景(イメージ)
地方都市に全国的なチェーン店が初進出すると、その初日に店舗の前に行列ができるのが風物詩だ。都会の人から見れば、当たり前の店になぜ?と思うこともあるかもしれないが、それでも地方在住者からすれば一大ニュースだ。とはいえ、だからといってその後も人気が続くかどうかは別の話。地方都市(佐賀県唐津市)に在住するネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、新規出店時にお祭り騒ぎする心理と、その後の展開についてレポートする。
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全国的なチェーン店がついに我が街にもやって来た! となれば、当然開店日に行きたくなるのは人の性(私にはまったく理解できないが)。私が住む佐賀県唐津市でも、スターバックスコーヒーやドン・キホーテの開店日には店に行列ができました。別の県の報道でも「県(市)初の○○がオープン、行列できる」といった記事はよく見かけます。
地方民にとって、全国的に有名なチェーン店の進出は一大事なのです。時々テレビやネットで見るあの店がついに我が街にも来たか!という期待感から行列を作る。当然新聞の折り込みチラシやらポスティングでオープン情報は流れるし、職場や近所でも「ついに○○が来るんだってね! 初日に行くと記念のステッカーがもらえるんだって!」みたいな話になります。
それだけ、地方では、全国レベルのチェーン店の進出は慶事であり、大ニュースなわけです。そして、SNSもあるため、そこに行列して商品をGETした様やら、フラペチーノを買ったことを報告する。さらに、そこで並んで買ったものをわざわざ車で15分かけて職場まで持ち帰り、すっかり冷めたソレを同僚に見せるわけです。
全国チェーンの初進出というものは、街をあげたお祭り騒ぎになるわけですね。たとえば、北九州市発祥の「資さんうどん」のオープン日も唐津では行列ができました。唐津にはすでに「ウエスト」と「牧のうどん」という北部九州では人気のうどんチェーン店があったのですが、それでも資さんうどんに行列ができた。
