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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

飲み会の「二次会離れ」がすっかり定着 コロナ禍が明けても物価高騰で「一次会と合わせて8000円払うのはキツイ…」、一次会早めスタートで21時には帰路に

筆者がつい「あと一杯だけ」と寄ってしまう、唐津の行きつけの屋台

筆者がつい「あと一杯だけ」と寄ってしまう、唐津の行きつけの屋台

一次会スタートが早くなり、21時頃には家路に

 ハナ肇とクレージーキャッツの『スーダラ節』(1961年)では、ハシゴ酒をやめられない様が歌われ、ザ・フォーク・クルセダーズによる『帰って来たヨッパライ』(1967年)は大酒飲みの男が酔っ払い運転で死亡し、天国でも酒を飲みまくる歌です。その飲みっぷりには天国の神様も呆れ果て、追放されて最終的には畑のど真ん中で生き返る。

 昭和の時代、お酒をたくさん飲むことが“男の甲斐性”的な空気感があり、ハシゴ酒や二次会、三次会、午前様、「てっぺんを越えた」なんて言い方がかっこいいとされていた側面があります。しかしながら、今や飲み会でビールを強制するような光景は減っていますし、むしろ酒を飲まない方がスマートであるという価値観すら出てきています。そんな価値観の変化も二次会離れにつながっているのではないかと思います。

 また、私の業界(出版・広告)にはありがちだったのが、飲み会開始時刻を遅くするという慣習もありました。「みんな残業で忙しいから早くは来られないよな」ということで、早くて19時開始、遅いと20時開始となっていた。それでも遅刻をしてくる人がいたため、その人は飲み足りないだろう、ということで、22時15分から二次会を開始したりしたものです。

 しかし、ここ数年間、18時や18時30分など、早い時刻開始の飲み会が東京でも増えているように感じられます。同世代が以前よりも仕事が忙しくなくなったり、夜遅いのが体力的にキツくなっているのでしょう。

 それで20時半~21時でバシッと終了し、そのまま参加者は家路につく。昔は居酒屋の前で雑談をし、「二次会どうする~?」なんてよくやっていたものですが、その光景もとんと見なくなりました。

 とはいっても、二次会向きの行きつけの店がある場合、ついつい行ってしまうこともあるんですよね。私の場合、最寄り駅近くに屋台街もあり、「あと一杯だけ」なんて言いながら家に帰る前に一人ないしは数名で入ってしまう。気心の知れた仲間とであれば、合計7000円台になってもまぁ、構わないか……なんて自分を甘やかしつつ、今日も飲んでます。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は倉田真由美氏との共著『非国民と呼ばれても コロナ騒動の正体』(大洋図書)。

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