一次会だけでお開きのケースも(写真:イメージマート)
飲み会の「二次会離れ」が進行しているようだ。博報堂生活総研は「月刊!生活総研」9月号にて、「消えた二次会 コロナ禍を経た飲み会のリアルとは」という調査結果を報告している。筆者の高橋良輔氏は「私は飲み会といえば当然二次会もセット、という時代を生きてきた40代です」と自己紹介をしたうえで、コロナ禍が落ち着いた今でも二次会に行く機会が減っていると、その実態をレポートしている。この調査結果を踏まえて、自称“呑兵衛編集者”の中川淳一郎氏が二次会離れの背景を考察する。
* * *
今回の博報堂生活総研の調査は、全国の20~69歳男女1500名が対象で、2025年8月に実施されました。最近の二次会の増減について聞いたところ、会社や仕事の飲み会では「増えた」が8.7%、「変わらない」が54.5%、「減った」が36.8%。プライベートの飲み会では同8.4%、58.3%、33.3%でした。増えて欲しいか減ってほしいか聞いたところ、増えて欲しいと感じる人は同3.3%、7.0%で、「今のままで良い」が53.8%、62.1%。「減ってほしい」が42.9%と30.9%に。
私もこの数年間、東京では二次会にとんと行かなくなったと感じています。職場の飲み会については、元々惰性で適宜行っていた歓迎会や忘年会、暑気払い等がコロナをきっかけに中止し、そのまま「あの飲み会、やらなくていいじゃん」ということで自然消滅したこともあるのでしょう。
そうした例はありつつも、最近感じるのが、飲み会の金額の高騰です。2023年以降、物価の上昇が激しくなっています。2022年までは490~580円ほどだった生ビールが今や650~780円などになっているし、300~400円だったお通し代も500円になったりしています。全般的に一品あたり100~200円の値上げになっているように感じ、これが積み重なると、一次会だけで5000円を超えることも珍しくありません。
それ以前は、安ければ3000円、高くとも4500円という感覚でした。となれば、当然二次会だって金額は上がってくる。飲み方にもよるでしょうが、一次会ほど注文はしないため、かつては1800~2500円ぐらいだったのが、今や2200円~3000円には到達します。これまで一次会と二次会を合わせて5000円台で済んでいたところが、今や合わせると7000~8000円台になってしまう。
さすがにこれはキツいのではないでしょうか。たとえば、アイドルのライブに行くのが趣味の人がいたとすれば、「今日の飲み会がなければ1回ライブに行けた金額だったのでは……」なんてことを思ってしまう。ゲーム好きな人も「これでドラクエのリメイク1本買えるよな……」と思うかもしれない。かといって飲み会を完全になくすのもさすがに行き過ぎ、ということで、一次会でお開きとする流れになっているのでは。
