オーナーや管理会社に連絡した方がよいのか(イメージ)
集合住宅では、ルールに従って他の住人に迷惑をかけないよう気をつけるのが当たり前。しかし、中にはルールを守らない住人もいる。たとえば“居住用”のマンションであるのに、こっそり事業用として使用されるケースもあるようだ。こういった疑いが浮上した場合、オーナーや管理会社へ連絡した方がよいのだろうか。実際の法律相談に回答する形で弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
最近、マンションの隣室が騒がしく、どうやら機材を抱えた人たちが部屋を訪ねているみたいで、何か仕事をしているよう。このマンションは全室が居住用になっており、仕事での使用は認められていないはず。こういった現状を管理会社に通報したほうがよいですか。それとも、ほっとけばよいのでしょうか。
【回答】
通報義務は、ありません。損得で判断すればよいことです。隣室の物音は壁一つ隔てたマンション暮らしではお互い様で、我慢せざるを得ない範囲もあります。しかし、過大な騒音が続いて眠れないなどの平穏な生活が送れない場合、受忍限度を超えた人格権侵害の不法行為になり、その騒音行為の差し止めや精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるようになります。
騒音への対応は直接、隣室に改善を申し出ることもできますが、トラブル回避のため、矢面に立たないでオーナーや管理会社に騒音状態を確認させた上、注意してもらうのがよいでしょう。
