“優待先回り投資”には注意点も(写真:イメージマート)
日経平均株価は5万円を大きく突破した後に急落局面も迎えるなど、乱高下の様相を見せた。相場の荒波は繰り返されてきたものではあるが、個人投資家はどう乗り切ればよいのだろうか。そうしたなかで元手40万円から“億り人”となったのが個人投資家・まつのすけさんだ。会社勤めを続けながら株式投資に取り組み、過去の相場の動きに基づいて売買する「アノマリー(経験則)投資」などで33歳にして億り人となった。
40代で起業してからは投資を続けながらマネー関連の情報発信にも注力するまつのすけさん。昨年には資産10億円を突破。今年4月にはトランプ・ショックやTOB(株式公開買い付け)で数億円規模の損失を受けたが、その後の相場で資産は最大23億円超まで伸びたという。
注意すべき3パターン
まつのすけさんが「資産額が小さかった頃は主力でやっていた」とする投資手法が“株主優待先回り投資”だ。人気の株主優待銘柄が権利確定の直前に値上がりすることに着目し、先回りして仕込んでおいて権利確定前に売却して値上がり益を得る手法のことである。
「今は資産が大きく増えたのでやっていませんが、数百万円を運用する個人投資家が資産を増やそうとする時には非常に有効な手法だと思います」(以下、「」内コメントはまつのすけさん)
業績や株価チャートも確認しながら、先回りして投資する銘柄を選んでいくことが大切だという。まつのすけさんが注意点として挙げたのは、業績の悪化、右肩下がりのトレンド、直近急騰という3パターンだ。
「業績が悪い銘柄は悪材料が潜んでいる可能性がありますし、右肩下がりの銘柄も優待が良くても買いが弱い状態が続いていることになります。あとは直近急騰した銘柄は“イナゴ抜け”(群がった個人投資家が短期で売却する)で反落リスクが高いですね。
以前は1か月前に買えば良かった銘柄が、今は3か月前に仕込まないと上がらないこともあります。個人投資家が増えて上昇が前倒しになるため、タイミングの変化も注意すべきです」
