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キャリア
ビジネスに役立つ相手に伝わる「言葉」の作り方

「『アルムナイ採用』って言われても…」Webメディア編集長が考える「伝わる言葉」の作り方 相手の共感を呼び起こすために必要な工夫を実例解説

「伝わる言葉」を見つけるために

 こういうことは、誰の身近にもあります。

 いくらよい言葉を並べても、相手の頭の中で別の意味に変換されたり、そもそも理解されなかったりする。だからこそ、「相手とつながる言葉は何か」を考えなければなりません。そのポイントは、次の4つです。

・相手がイメージできる言葉である
・相手の手の届く範囲の言葉である
・相手の実体験につながる言葉である
・相手が自分ごととしてとらえられる言葉である

 たとえば、「AIを活用したマッチングシステムです」という一文をどう思いますか?

「AIって何をしてくれるんだろう」「マッチングシステムってどういうこと?」「ピンとこない」「ひょっとして難しそう?」「自分には関係ないかも」なんて思うかもしれません。

 でも、「あなたにぴったりの相手を見つけるお手伝いをします」だと、ある程度の想像ができます。「どんなサービスなんだろう」「自分にも合う人を見つけてもらえるかな」と、がぜん自分ごとに近づきます。

 以前、築100年の古民家に住んだ人の話を取り上げたウェブの記事のタイトルを考えたことがありました。

 普通なら、「築100年の古民家に住んだ山田さんの生活」などとするでしょう。これでも、古民家や、古い時代のものに関心がある人は興味を持ってくれるかもしれません。でも、それ以外の人はどうでしょうか。「100年前の家に住んだ」と言われても、多くの人は、自分には関係のない話と感じるのではないでしょうか。

 では、「20万円で古民家を買って住んだ山田さんの生活」といった方向で、「いくらで買ったのか」に視点を移してみるとどうでしょうか。

 すると、目にした人には「古民家って20万円で買えるんだ」という発見が生まれ、これまで「自分には関係ない話」だと思っていた古民家が、急に身近で現実的な選択肢に感じられるようになります。

 この表現のままではありませんが、実際にこのような方向でタイトルをつけたところ、自分にとっての「家」や「住み方」の選択肢が増えたように感じた方が多かったのか、思った以上にヒットした記事になりました。

「20万円で買える」という事実を添えたことで、自分ごとになりやすくなったのではないかと思います。

 伝えたいことの中から相手に伝わりやすい情報を選び取ることで、見る人の印象は変わります。

※武政秀明・著『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』(サンマーク出版)より一部抜粋して再構成

『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』著者の武政秀明氏

『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』著者の武政秀明氏

【プロフィール】
武政秀明(たけまさ・ひであき)/Webメディア編集長。1976年兵庫県神戸市生まれ。1998年関西大学総合情報学部卒。自動車セールスパーソン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年から東洋経済オンライン編集部。副編集長、編集長、編集部長を歴任。約12年間の在籍中に自身で7000本超のタイトルを考案してヒット記事を連発する一方、同期間にサイト全体で数万本に及んだ記事のアクセス傾向を徹底的に研究。読者の関心を大きく左右する記事タイトル=最初の言葉の作り方を独自に体系化する。東洋経済オンライン編集長時代の2020年5月には過去最高となる月間3億457万PVを記録。2023年5月にサンマーク出版へ転職後、SUNMARK WEBを立ち上げて編集長を務める。

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