20代以下の遊びの特徴(日遊協「パチンコプレイヤー調査2025調査報告書」より)
「推し活」としてのパチンコ
アニメや漫画、ゲームなどを題材にしたパチンコが増えたことで、客層も徐々に変わってきたという。
「アニメなどの二次元コンテンツを題材にしたパチンコ・パチスロは以前からありましたが、最近ではその割合がかなり高まっている印象ですね。単純にそのコンテンツのファンを取り込もうという思惑があるのは間違いなく、実際に“推し活”の一環としてパチンコを打つファンも少なくない。今回の調査で『好きなキャラクターやコンテンツがパチンコ台になった』ことでパチンコを始めた10代・20代のユーザーが多いのは、まさにそういった理由でしょう。
また、秋葉原にあるパチンコホールでは、“萌えパチ”などと呼ばれる、アニメを題材とした機種を数多く取り揃え、アニメファンなどが楽しみやすい雰囲気を作っているケースもあります。そういった形でコンセプチュアルなホールも登場していることも、1人でパチンコを始めやすくなった要因と言えるかもしれません」
“推し活”としてパチンコホールに足を運ぶことが一般的になりつつあるなら、人気の高いコンテンツをパチンコ・パチスロにすれば、それだけ多くの人がホールに集まるようにも思える。しかし、実際には必ずしもそうではない現実があるという。
「人気の高いコンテンツがパチンコ・パチスロ化すれば、たしかに話題性・注目度も高くなりますが、そのコンテンツを題材にしているだけで、ユーザーの支持を得られるものではない。パチンコ・パチスロユーザーの心をつかむためには、出玉性能や演出面での魅力が必要なんですよね。また、熱烈なファンが多いコンテンツであれば、パチンコ・パチスロ化された際の“原作愛”があるかどうかでも評価がわかれてくる。人気の高いコンテンツをパチンコ・パチスロ化するならば、そのコンテンツを無駄にしないためにも、より細部にまでこだわった開発努力が必要だというわけです。メーカーとしても、この点はすごく難しいところでしょう」
参加人口が減少傾向にある現在のパチンコ・パチスロ。人気の高いコンテンツをパチンコ・パチスロ化するだけではなく、そのコンテンツのファンが納得するような機種の開発こそが、新規ユーザー獲得のためのカギとなるのだ。
後編記事《【年代別「パチンコを始めたきっかけ」生の声】50代「やんちゃなものに憧れて」、20代「好きなアニメの機種があったから」、ネットで事前学習し“1人でデビュー“の人も増加…時代とともに変わる入り口》では、パチンコを始めたきっかけについて、老若男女のユーザーの生の声を紹介している。
