若年層ほど「パチンコを始めたきっかけ」はさまざま(イメージ)
日本中、至るところにあるパチンコホール。コロナ禍以降、店舗数は減少傾向であるものの、それでも全国でおよそ6700店舗が営業している(2024年末時点での店舗数、警察庁発表)というデータからは、パチンコが日本に住む人々にとって身近な娯楽であることがうかがえる。一方で、普段からパチンコを楽しんでいない人々にとっては、ハードルが高い存在と言えるかもしれない。では、パチンコユーザーたちは、どのような経緯でパチンコを楽しむようになったのか。その傾向は世代によって異なることがわかった──。【前後編の前編】
パチンコ・パチスロ関連企業による業界横断的組織である一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協)は11月20日、パチンコユーザーの動向を調査した『パチンコプレイヤー調査2025』を発表した。パチンコ・パチスロを含むアミューズメント参加者だけでなく、非ユーザーも対象にインターネット上でアンケートを実施し、パチンコユーザーの動向や嗜好、業界へのイメージなどを調査した。
この『パチンコプレイヤー調査2025』では、「パチンコを遊ぶようになったきっかけ」についても調査されている(複数回答可)。全年齢では「友人や知人、家族に誘われた」の回答が44.1%でトップ。続いて「近所にパチンコ店があった(店頭ポスターやのぼりを見て)」が19.9%、「ゲームセンターでパチンコを遊んだ」が12.1%、「好きなキャラクターやコンテンツがパチンコ台になった」が11.9%となっている。初めは1人ではなく、友人や家族などといっしょにパチンコに行ったというユーザーが多いことがわかる。
しかし、年代別に見ると10代・20代では、「友人や知人、家族に誘われた」が26.4%で、つづいて「好きなキャラクターやコンテンツがパチンコ台になった」が22.2%、「ゲームセンターでパチンコを遊んだ」が21.8%、「新聞や折込チラシ、テレビ・ラジオCMなどでパチンコの広告を見聞きした」が18.3%となっており、「友人や知人、家族に誘われた」以外のきっかけでパチンコを始めたユーザーも多い。一方の30代では「友人や知人、家族に誘われた」が41.4%、同様に40代では54.0%、50代では55.1%、60代では47.4%となっており、年代が高いユーザーほど友人や家族がきっかけになり、パチンコを始めたというユーザーの割合が多くなっている。
この調査結果について、パチンコに詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう分析する。
「昭和の時代や平成初期まで遡ると、パチンコホールは今よりもたくさんありましたが、一方でアンダーグラウンドなイメージが強かった。『怖い人が集まっている』といったイメージもあり、何も知らない人が1人でパチンコホールに入るのは、今よりもハードルが高かったわけです。だからこそ、すでにパチンコに慣れ親しんでいる友人や家族に誘われて、パチンコを始める人が多かったということでしょう。
しかし、パチンコ台のテレビCMが流れるようになった、平成中期頃から徐々にパチンコのイメージは変わり、“アングラ感”も薄れていった。多くのパチンコホールのサービスも良くなり、今では清潔感のあるホールがほとんどです。決して“怖い場所”ではなくなっているということで、1人でパチンコを始める若年層のユーザーが増えているのだと思います」(以下「」内同)
