友人に誘われてパチンコ・パチスロを始めた人もいれば、1人で始めた人も(イメージ。Getty Images)
かつては「タバコ臭い」「ガラが悪い人が集まっていそう」「店員が怖そう」などといったネガティブなイメージもあったパチンコホール。しかし、最近では店員のサービスも良く、分煙化によってタバコ臭さも解消されるなど、イメージアップが図られている。とはいえ、パチンコにまったく触れていない人にとっては、簡単に出入りできる場所とは言い難いことも確かだろう。では、パチンコユーザーたちは、どういったきっかけでパチンコを始めたのだろうか。ユーザーの声を集めると、時代とともに変容するパチンコのイメージがわかってきた。【前後編の後編】
パチンコ・パチスロ関連企業による業界横断的組織である一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協)は11月20日、パチンコユーザーの動向を調査した『パチンコプレイヤー調査2025』を発表した。パチンコ・パチスロを含むアミューズメント参加者だけでなく、非ユーザーも対象にインターネット上でアンケートを実施し、パチンコユーザーの動向や嗜好、業界へのイメージなどを調査した。
同調査における「パチンコを遊ぶようになったきっかけ」(複数回答可)に対する回答は、全年齢で「友人や知人、家族に誘われた」の回答が44.1%でトップ。続いて「近所にパチンコ店があった(店頭ポスターやのぼりを見て)」が19.9%、「ゲームセンターでパチンコを遊んだ」が12.1%、「好きなキャラクターやコンテンツがパチンコ台になった」が11.9%となっている。
年代別に見ると10代・20代では、「友人や知人、家族に誘われた」が26.4%、続いて「好きなキャラクターやコンテンツがパチンコ台になった」が22.2%、「ゲームセンターでパチンコを遊んだ」が21.8%、「新聞や折込チラシ、テレビ・ラジオCMなどでパチンコの広告を見聞きした」が18.3%となっており、「友人や知人、家族に誘われた」以外のきっかけでパチンコを始めたユーザーも多い。一方の30代では「友人や知人、家族に誘われた」が41.4%、同様に40代では54.0%、50代では55.1%、60代では47.4%となっており、年代が高いユーザーほど友人や家族がきっかけになり、パチンコを始めたというユーザーの割合が多くなっている。
年代によってパチンコを始めたきっかけに異なる傾向があることがわかったが、具体的にはどんなきっかけでパチンコを楽しむようになったのか。ユーザーの声を聞いた。
都内に住む会社員のAさん(50代男性)は、「初めてパチンコホールに行ったのは、高校生の時でした」と、当時の“悪事”を告白する。
「当時は いわゆる“やんちゃなもの”に憧れがあった時期で、あるとき、先輩から『パチンコ打とうぜ』と言われて行ったのが最初でした。ルールもわからなくて、ちょっとオドオドしていたのか、怖そうな店員に『お兄ちゃん、年いくつ?』って聞かれて、『20歳です』と嘘をついて答えたこともありましたね……。高校生だってバレていたのかもしれないけど、特に追い出されることもなかったです。ある意味、おおらかな時代だったと思います。
とにかく不良っぽいものがかっこよく見えていた時期でしたし、当時は大人のマネをしてパチンコホールに通うようになった高校生もそれなりにいたと思います。店員さんも今みたいに優しそうな人ばかりではなく、明らかに怖そうな人もたくさんいて、刺激的だった。今のクリーンな雰囲気のパチンコホールからは、想像できませんね」
