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税務当局が外国人によるマンション転売での「課税逃れ」対策に本腰 海外居住者が都心6区で取得した物件の12.2%が1年以内に転売 国税庁は「非居住者の売却情報も把握している」

晴海フラッグを投資目的で6戸購入した中国人が脱税ですべて差し押さえられる事件も(時事通信フォト)

晴海フラッグを投資目的で6戸購入した中国人が脱税ですべて差し押さえられる事件も(時事通信フォト)

 外国人が短期ビザで入国し、マンション転売の税金を納めず出国する実態にメスが入ろうとしている──。「外国人政策の見直し」を掲げる高市早苗・首相が、急拡大していた外国人受け入れ路線の転換を図っている。不法滞在者や不法就労の規制強化や帰化要件の厳格化、外国人の投資規制、優遇制度の見直しなどに舵を切った。とりわけ注目されるのが、在留外国人数が最多の3割近くを占める中国人を念頭に置いた指令の数々である。

 とくに日本政府が中国を意識して打ち出したと思われる政策が次の4つになる。

【1】中国系ネット通販への課税強化
【2】中国人留学生の「免税」特権廃止
【3】マンション転売と税逃れ規制
【4】医療費踏み倒し外国人の入国規制

――いずれも高市政権の「中国人から税金を取れ!」という指令だと考えられるのだ。

 台湾有事をめぐる高市首相の発言に反発した中国は日本産水産物の輸入禁止や渡航自粛の呼び掛けといった報復に出ているなか、高市政権がそれに対抗するかのように外国人政策見直しを推し進めているわけだ。ここでは、マンション転売と税逃れ規制について、どういった対策なのか見ていこう。

短期ビザで入国し転売の税金を納めず出国

 東京都内のマンション価格は1億円時代に突入。国交省が初めて行なった実態調査では、都内の今年上半期の新築マンション取得者のうち外国人(海外居住者)の割合は新宿区・千代田区・中央区・港区・文京区・渋谷区を合わせた都心6区でも7.5%を占めた。海外居住者が取得した物件が1年以内に転売(2024年上半期取得)された割合も都心6区は12.2%に達しており、値上がりを見込んだ転売目的で外国人が買っていることがうかがえる。

 非居住者が5年以内の短期所有で転売した場合、利益に約30%の所得税が課せられるが、「短期ビザで入国し、税金を納めずに出国するケースもある」(不動産業者)。そのため、非居住者の不動産売却には、買い手が売買価格の約10%を代金から差し引いて国に納める源泉徴収制度があるが、不動産取引に詳しい税理士の田口伸五氏はこう言う。「中小業者や外国法人には源泉徴収をしていない場合もあり、制度はあっても実際の徴収は難しい」

 どうやって課税逃れを防ぐのか。国税庁資産課税課の説明だ。

「手の内をつぶさにお答えはできないが、法務省から移転登記が行なわれた情報を得て売買情報を把握している。そのなかには非居住者が売却したケースも含まれており、申告漏れや課税上の不正があると判断すれば調査を行なっています」

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