TOPIXも最高値更新、株高が続く日本株市場に死角はないのか
日経平均株価は10月末に史上最高値となる5万円に到達したが、12月4日には、日経平均以上に全体相場の状況を反映すると言われるTOPIX(東証株価指数)も史上最高値を更新している。一方で、足元の景気を示す指標を見ると、必ずしも楽観一色とは言い切れない面もあるという。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが「景気ウォッチャー調査」をもとに、景気と株価の動向について解説する。
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12月4日、TOPIX(東証株価指数)が史上最高値を更新する場面がありました。日本企業の業績改善や新政権への期待が背景にあり、投資家からの資金流入が続いています。「いよいよ日本は本格的な景気回復局面では?」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、足元の景気を示す指標を見ると、必ずしも楽観一色とは言い切れません。今回は、現場の肌感覚を反映する「景気ウォッチャー調査」から、景気と株価の動向について見ていきます。
景気ウォッチャー調査とは?
景気ウォッチャー調査は、飲食店・小売店の店員、タクシー運転手、企業経営者など「景気の変化を間近で感じる人」を対象に行うアンケート調査です。月次で発表され、速報性が高く、実際の景気の変化をいち早く掴める点から、市場参加者の注目度も高い指標です。
この調査で特に重要なのが以下の2つのDI(Diffusion Index)です。
・現状判断DI:今の景気をどう見ているか
・先行き判断DI:2~3ヶ月先の景気見通し
DIの基準値は50で、50を上回れば「景気が良い」、下回れば「悪い」と判断します。
